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麻帆良に来た漢!第二話(ネギま!×リアルバウトハイスクール) 投稿者:ゆの字 投稿日:06/29-08:19 No.2611
「南雲君。ウチの学園で教師をやらんかね?」
「は?」
学園長の宣言に理解するのに数分かかった。
それほどまでに唐突な宣言だったからだ。慶一郎は目の前の老人を疑わしそうな視線で見るが、そんな視線を物ともせず学園長は机の引き出しからなにやら書類を取り出していた。
「ちょっと待って下さい、学園長。一体どうしたらそんな結論になるんです?」
慶一郎自身が言うのもなんだが、はっきりいって自分はただの不審者に過ぎない。そんな人物を側に置く、しかも教師として働かせようとするのは正直どうかと思う……というより普通に無理があるだろう。
「フォッフォッフォ、南雲君が何を言いたいのかはわかるつもりじゃ。これには気を悪くしないで貰いたいんじゃが、お主ほどの人物を野放しで放ってはおけないんじゃ。ある意味監視を兼ねてこの学園に引き止めて手元に置いておきたいんじゃよ」
「随分とまた率直ですね。まあ、下手に誤魔化されるよりも信用はできそうですが……」
「悪いね、南雲君。こちらの世界のルールみたいなものがあってね、その辺についても知っておいて欲しいんだ」
高畑は学園長と違い、非常に済まなそうな態度をしていた。
慶一郎も大門高校で、藤堂鷹王という人物を抑えようと周りの教師達が必死になっていた事をふと思い出していた。こんな学園長であるならば、高畑やその他大勢の教師はさぞ苦労している事だろう。思わず、高畑に同情の目を向ける。
(君も苦労しているな……)
(……いつもの事だからね)
アイコンタクト終了。
「何やら不愉快な思念を感じるが……まあ気のせいじゃろう。それで、返事はどうかね?」
「まあ、断る程の理由もないですしね。そちらがこちらの行動に関してとやかく文句を言わないのであれば、俺の方からは特に言う事はありませんよ。……ところで、教師といっても英語しか担当できないですよ、俺?」
「(とやかく文句を言うな、とはまた豪気な……)英語とはまた何とも都合がいいのぅ。何、そう難しい事を頼みたい訳ではない、とあるクラスの副担任をして欲しいだけじゃ。ちなみにその担任は英語教師での、色々と彼をサポートしてやってくれんか?これが彼の資料じゃ」
そう言って先程取り出した資料を渡される。慶一郎はその資料を手に取り、パラパラと捲っていく。
「あのー学園長?俺にはここに『ネギ・スプリングフィールド 十歳』と書いてあるように見えるんですが?」
「それがどうかしたかのぅ?」
「学園長……労働基準法違反って知ってます?」
「公にばれなきゃいいんじゃよ」
慶一郎は溜息をついた。どうして自分の周りの上に立つ者はこうもいらん権力を振りかざす人種が多いのだろうか?正直自分の交友関係をもう少し考えた方がいいのではないかという気分にさせられる。横にいた高畑が軽く胃を抑えていたのは、敢えて見なかった事にした。
『第二話 二めーとるの新任教師現る!?』
とりあえずネギという少年教師の副担任となる事が決定した慶一郎は、次にこの世界のルールといった事を二人から説明を受けていた。
「魔法が存在する世界ねぇ……ところで今更ながら俺がそんな事知っちゃって良かったのか?ソルバニアにおけるレイハならともかく、俺に魔法なんかは使えないぞ?秘匿しなきゃいけないんだったら、本来なら俺みたいな一般人相手には記憶とか操作しないとまずいんじゃないか?(まあ、そんな事を簡単にさせるつもりは毛頭ないが)」
「別に構わんよ、まさしく今更じゃな。それに魔法に関わったという事実はもう変わりあるまい?それならば最低限の情報は知っておいて貰った方が、こちらとしても都合がいいんじゃよ」
学園長の言う事にも一理ある。
確かに慶一郎自身が魔法の事を黙っている義務はないが、わざわざ知らない世界でそんな面倒くさい事をしなければならない理由もない。元の世界に戻るまで世話にはなるが、必要以上の介入をする気はなかった。
「魔法使い達は『立派な魔法使い』を目指して日夜努力している。これにはさっきのネギ君も該当しているんだが、彼の場合はまだ仮免期間のようなものでね。その修行内容が〈日本で先生をやること〉と何故か指示されていてね、それでこの学園に教師として留学しているんだよ」
「ちなみにネギ君はまだ教育実習中じゃ。だがそろそろ課題を一つクリアしてもらって、四月からは正式な教員として働いてもらうかのぅ?」
どうやら学園長達は、完全に慶一郎がここで働く事を前提に話を進めている。
断る理由もないので慶一郎としては、別に困った事はなかった。幾つかの疑問は残ったが……。
「しかし仮にそのネギ?君が、大学生を遥かに超える学力を持つ天才少年だとする。その場合勉強を教える事に異論は無いが、実際教師としての威厳が弱いのでは?一般的な生徒なら、そんな教師は認めないでしょうね。それに魔法界の秘匿について、そんな歳の子供が秘密を守りきれると思っているんですか?」
「彼にはそれだけの覚悟を持って『立派な魔法使い』を目指しているということじゃよ、南雲君。それにお主が副担任として付くことだしのぅ」
「なるほど。その辺のフォローも俺の仕事のうち、と。……それを受けるには、二つほど条件があります」
「条件?……何かの?」
学園長は首を傾げる。
「まずは最初に言った通り俺への詮索はしない事。もう一つ、副担任として補佐するのはあくまで学業に関してのみ、それ以外の補佐は基本的にはしない」
「南雲君、それではネギ君の補佐をする意味が……」
「俺は中立を取らせてもらいますよ。学園長達を信用しないわけじゃないが、『組織』の一方的な方針には従わない。それが俺が働ける最低限の譲歩です。もちろん依頼されれば、事と次第によっては動きますがね」
慶一郎はまだそこまで詳しく魔法界の事は知らない。しかし『立派な魔法使い』等と言って、通常世界の法を曲げてまで隠匿している組織を信用しろと言う方が無理な話である。魔法界が通常世界の法であるならば文句も無いが、そうでない以上彼らがやっているのは犯罪に過ぎない。
藤堂校長の事もあるのでそこまで気にする事はないのだが、『魔法』等というファンタジーが絡むなら話は別である。
「やはりそう簡単に信用はして貰えんかの?」
「そうですね、まあ気が向いたら相談には乗りますよ。だけど、そのネギ少年が何も言わない場合は何もしません。それでいいですか?」
「止むを得んか……とりあえずはそれで様子を見ようかの」
学園長は机の上で腕を組み、意味ありげな怪しい笑みを浮かべている。そんな姿もやはり慶一郎が知る、何処ぞの怪しいグラサンをかけた校長の姿と被るのであった。
気付けばかなりの長時間話し込んでいたようで、窓の外は真っ暗になっている。
「とりあえずもうこんな時間じゃ、そのネギ君との顔合わせと副担任就任は明日の朝一で済ませてしまうかのぅ。それ以外の事はおいおいと決めていく事にして、さて……今日は南雲君は何処に泊まってもらおうかのぅ?」
「別に野宿でも構いませんよ、真冬というわけでもないですし」
さらりと言った慶一郎の言葉に、二人は揃って顔を手で押さえて天を仰いだ。言葉がつい出てこない学園長に代わって、高畑がその心境を言葉にして表現した。
「いいかい、南雲君?ここは日本だ、ここでは住む家がなく野宿するような人間をホームレスと言うんだ」
「それが?」
未だ不思議そうにしている慶一郎を見て、さすがの高畑も苛立ちが爆発寸前まで高まった。思い切り深呼吸をして、はっきりとした口調で言葉を紡ぐ。
「よく聞いてくれ……ホームレスじゃ教師は務まらない」
「――っ!?」
慶一郎はその言葉に衝撃を受けた。何故なら以前同じ事を言われた事があったからだ。自分は同じ過ちを二度繰り返さないと思っていながらも、つい同じ事を突っ込まれていたその衝撃は大きかった。
「学園長。彼は今日、僕の家で泊まってもらいます」
「すまんな、タカミチ君。そうして貰えるかのぅ」
「いえ。ではまた明日、朝一で彼を連れてきますから」
そう言うと高畑はまだ呆然としている慶一郎を、その重量を無視するかのような勢いで引っ張って行った。こうして、異世界からやってきた男、南雲慶一郎の初日は幕を閉じるのであった。
翌日、麻帆良学園中等部2-Aの教室内にて。
「……龍宮、いい加減昨日あの後起こった事を全て話せ」
「と言われてもな、私は気絶したお前を寮に運んだだけなのだが……」
教室の中なので抑えてはいるが、殺気を振りまいて詰問している少女の名は桜咲刹那。そしてその彼女に問い詰められて溜息をついている少女の名を龍宮真名と言う。
「ではお前はあの危険人物をあのまま放置したというのか!?それでも私の仕事仲間か!?」
「……頼むから落ち着いてくれないか、刹那。そうは言うがお前が敗れた程の相手だったのだろう?ろくな装備も無しに本来狙撃手である私が、そんな危険人物を無理に相手にすることは無意味だ。もちろん、依頼されていたのであれば話は変わるがね」
「――くっ!?」
激情しそうな感情を必死に押し留める刹那。彼女はクラスメイトの近衛木乃香を陰ながら護衛するという任務に付いている。こんな事でクラス内に目立つ事は避けなければならない。
そんな刹那の葛藤を、真名は呆れた目で見ていた。
(やれやれ……これくらいで取り乱すとは、刹那もまだ修行が足りないね)
「そういえば、あの場には高畑先生もいたのだが……」
「お~い、皆聞いて!ニュースだよ、ビッグニュース!!」
話を続けようとした真名の言葉を教室に駆け込んできた人物に遮られる。
仕方なく刹那と共に視線を前に移すと、そこには通称『麻帆良パパラッチ』と呼ばれている生徒、朝倉和美がいた。麻帆良学園報道部突撃班所属の彼女は常日頃カメラを持ち歩き、世界的なスクープを探し回っているある意味で危険人物だ。
「朝倉さん?ニュースって、何なの?」
「いや~実は偶然とある情報を耳にしたんだけどさ~!」
朝倉のその台詞に2-Aのクラス全員(一部除く)は『絶対嘘だ!』と心の中で突っ込んでいた。さすがは『朝倉に知られた情報は世界に知られたと思え』と噂を流されているだけの事はある。彼女が得た情報はともかく、その行動に関しては一欠片の信用もない。
「なんと我らがクラスの担任、ネギ君に新しく副担任の教師が就任すんだってさ!」
「えーなんでまた副担任?」
「……いっそ高畑先生に担任戻してくれないかしらね?」
「はあ……(なんだそりゃー!?そんなにホイホイ教師が就任するわきゃねーだろが!?何なんだこの非常識な学園はよ~~っ!!)」
朝倉の情報に素直に驚く者、見当違いな意見を呟く者、心の中で盛大に突っ込みを入れる者、まさに人それぞれである。そんな情報に教室の後方で龍宮と話していた刹那も顔を顰めている。
「新任教師?ネギ先生の副担任というと〈こちら側〉の人間という事か?……龍宮、何か聞いているか?」
「いや聞いていない。だが、ネギ先生の補佐というのは前々から意見されていた事だし、それほど不自然ではないと思うが……(あの学園長の事だし、まさか、な……)」
龍宮は何やら思案顔である。そうこうしているうちにホームルームの時間がやってきた。予鈴がなったので二人は会話を中断し、お互いに座席の位置へと戻っていく。
席に着いたとき、教室の前の扉が開かれる。
「おはよ~ございます!」
元気な声と共に、2-Aの教室に一人の少年が入ってきた。彼の名前はネギ・スプリングフィールド。『立派な魔法使い』になる為に、日本に教師として留学しにやってきた少年である。
いつもなら出席を取るのだが、今日は何やら様子が違う。教壇からクラスを見渡すと、口を開く。
「早速ですが、今日は重大なお知らせがあります!今日から僕の授業を一緒に手伝ってくれる副担任の先生が就任してきました。もうすぐ彼が教室に来るので、皆さん失礼のないように歓迎してあげて下さい~!」
ネギの言葉にクラスはざわめく。
やはり朝倉の情報だけは確かなようだ。皆してどんな先生が来るのか?ネギ先生が彼と言っていたがどんな男性なのか?かっこいい人かな~?とか様々な憶測が飛び交っていた。
その中の一人の少女が隣の席に話しかける。
「なあなあ、明日菜はどんな人が来ると思うん?」
「別に新任教師が来たってだけでしょ?まったく……?」
クラスメイトであり友達である近衛木乃香の質問に適当に返事をしていた神楽坂明日菜は、その視界に未確認移動物体を捉えて絶句する。その視線の先には信じられないモノが見えた。
廊下側の窓ガラスの向こうに見た事もない巨大な影が現れ、ゆっくりと移動しているのだ。何人かがソレに気付く。
「何か来たよ?」
「……まさかアレが?」
ネギの指示通りに着席していた生徒達のざわめきは大きくなる。やがて教室の前の戸をガラガラっと開くと、身長二メートルを超える巨漢が鴨居をくぐって入ってきた。
上は白のシャツに革ジャン、下は森林迷彩のアーミーパンツにブーツといったおよそ教師らしくないラフな格好だった。何より異質だったのはその大きな体躯、鍛え抜かれたその筋肉隆々な風体に生徒達のどよめきはピークに達した。
教壇に立ったその男は、二回り以上も小さく見えるネギを横に据えて、やや緊張した表情で生徒達の顔を見回した。
ガタンッ
教室の中に派手な音が響く。それは、刹那が物凄い勢いで立ち上がった際に構わず蹴り飛ばした椅子の音だった。周囲の席の生徒達はそんな彼女のいきなりの行動に驚いている。そしてさらに後ろの方の席に座っている龍宮は思わず顔を覆った。
「あ、あ、ああぁぁぁーーーっ!?」
(……目立ちまくっているぞ、刹那)
刹那は周りの視線すら気にならず、目の前の男を指差して言葉にならない声を上げていた。そんな刹那の態度や顔を覆った龍宮に気付いた慶一郎は、表情を綻ばせて男らしい笑顔を浮かべる。
「まあそう驚くな……俺だってさすがにここまで予測はしていなかったさ」
その言葉に生徒達は急に立ち上がって愕然としている刹那と慶一郎を交互に見て困惑していた。普段冷静沈着な彼女にしてみれば、あまりにありえない行動だったからである。
当の本人はそれ以上の混乱に陥っていたが。
「あれ?せっちゃんのお知り合いなん~?」
護衛対象の木乃香の問いも愕然かつ呆然としている刹那の耳には届いていなかった。慶一郎は大きくゴホンッと咳払いをして、ざわつく生徒達の注意を自分に向ける。
「あー……つい先日ここに来たばかりで、何の因果か知らないが今日からこのクラスの副担任をやる羽目になった。まあ経緯はどうあれ、やると決めたからには俺の持てる限りの全力を尽くす。それで先生の名前だが……」
ネギから借りたチョークで黒板に横書きで漢字の名前を殴り書きにし、その下に読みも付け加える。
「南雲慶一郎だ。今日からよろしく頼むぞ、ネギ先生共々!」
「そんな馬鹿な……」
刹那はその場にヘナヘナと座り込んだ。
時は少し遡り……とある朝の風景。
「そろそろ着くよ、南雲君」
高畑の声で朝一の脳細胞が活性化していく慶一郎。昨日は二度目のホームレスを体感しそうな所を、高畑達の説得により回避し、ついでに高畑の家に泊めてもらったのである。
朝一で学園長に用があると言う事で、二人は早めの朝食(高畑が作った)を取ると、高畑の運転する車に乗って学園を目指していた。
「へえ、それほど遠い距離でもないんだな」
「そうだね、僕も結構学園には用事が多いからなるべく近場に家を用意したのさ」
朝早くということもあるのか登校してくる生徒はまだちらほらとしかいない。その所為というわけではないが、高畑の運転は心なしか軽く感じた。
「おっと、学園長が待ちくたびれているといけない。南雲君、少しスピードを上げるよ?」
「え?~うわっ!?」
そう宣言すると、高畑はギアやアクセルを巧みに動かし、『ギュンッ!!』とか『ゴウッ!!』などといった効果音と共に、高畑車は駐車場目指して駆け抜けていった。
その運転で、慶一郎は高畑への評価を改めたと後日語っていた。
朝の早いルームメイト、神楽坂明日菜に釣られるようにネギ・スプリングフィールドもまた早く起きていた。何故なら昨晩学園長から朝一で学園長室に来るようにと連絡を受けていたからだ。もう一人のルームメイト、近衛木乃香と一緒に早めの朝食を取っていた。
「こんな朝早くからじいちゃん、ネギ先生に何の用やろなぁ?」
「う~ん、何でしょうね~(もしかして以前から言われている教師の仕事を補佐してくれる人の紹介とか?)」
朝食を食べ終わると、さすがにまだ早すぎる登校のため、木乃香には先に出ますと伝えるネギ。
「はいな~アスナもちゃんと遅れずに連れて行くえ~」
「はい~行ってきますね~」
ネギが職員室に着くと、既に学園長は出勤して待っていると早番の教師に言われ、慌てて学園長室に向かう事になった。
そしていざ重厚な学園長室を前にすると、実は明日菜に魔法がばれた事で本国に強制送還ののちオコジョ刑務所入り……などのネガティブな思考が頭を過ぎる。しかし、既に呼び出されている以上覚悟を決めるしかない。ネギは必死に精神を落ち着かせながらドアをノックする。
「失礼します、ネギ・スプリングフィールドです」
「来たようじゃな、入りたまえネギ君」
学園長の返事を受けて室内へと入る。次の瞬間、部屋の中でネギが見たのはいつも通り学園の長である老人と、見た事もない男性が一人学園長の机の近くに立っていた。
革ジャン等のラフな格好をした男性の身長は二メートル程で、ネギからしてみれば近づきすぎるとかなり見上げなければ顔が見えない程だ。その筋肉隆々の体躯は、この学園長室の中において異質以外の何者でもなかった。不覚にもネギはそんな慶一郎との初対面に、思いっきり思考が混乱していた。そんなネギの心中に気付かない学園長は、早速話を始めようとする。
「ネギ君、朝早くから呼び出してすまんかったの。実は前々から他の先生達から相談されていた、ネギ君を補佐する教師の事なんじゃ」
「もしかして、それがこちらの人ですか?」
「うむ、以前より提案があったネギ君の補佐役を担当してくれる、新任教師の南雲慶一郎君じゃ。南雲君、彼がお主が補佐をする教師のネギ・スプリングフィ-ルド君じゃよ」
紹介を受けた慶一郎は、目の前の少年をただの子供と侮りはせず、同じ一教師として堂々と握手を求めた。
そんな堂々とした態度にネギは思わず面食らってしまう。
「その歳で学生を教える立場とは、事情は知らないが大変だなネギ先生。俺の名前は南雲慶一郎、呼び方は好きにしてくれ。まあとにかくこれからは副担任としてよろしく頼む」
ネギは先程彼の外見を見て驚いたのを恥じた。彼は自分の事を色眼鏡で見ずに、きちんと一教師として評価してくれている。ならば、あちらの誠意を無駄にしてはいけない……ネギは相手の目を見ながら握手を交わす。その視線はけして睨むかのようではなく真っ直ぐに見据えるだけ。
「はじめまして、南雲先生!2-Aの担任、そして英語教師を担当しているネギ・スプリングフィールドです。こちらこそよろしくお願いします!」
『立派な魔法使い』を目指すサウザントマスターの息子は、こうして放浪の臥龍との初邂逅と遂げた。
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