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麻帆良に来た漢!第七話(ネギま!×リアルバウトハイスクール) 投稿者:ゆの字 投稿日:07/08-14:14 No.2652


 図書館島から脱出したネギ達から少し時間を置いて、慶一郎もまた地上に戻っていた。石像との戦闘で龍気を大量に消耗していたので、その日は管理人室に戻り休む事にする。途中帰り際に刹那を見かけたので、木乃香の無事を伝えると何度もお礼を言っていた。
 翌日の学園長室。色々と面倒な事態も発生したが、概ね学園長の意図通りに事が進んだと言える。その経過報告を届けようと学園長室に向かうと、そこには何故か床に布団をひいて寝込んでいる学園長がいた。その全身には包帯が巻かれている。

「……何してるんですか?トラックにでも轢かれました?」

「むぅ……南雲君か。見て解からんかの?」

「さあ?……ミイラ男のコスプレでもしてたんですか?」

「……地底図書室に落ちた石像はわしが動かしていて、それが暴走したと言ったじゃろ?制御が利かなくなったと」

「そうですね」

 身体を起こす事すら大変そうな学園長は、寝込んだまま話を続ける。

「あの石像を通してネギ君達を見ていたということは神経をリンクさせていたわけなんじゃが……そのリンクが暴走した所為で制御できずに切れなかったんじゃ。さて、問題じゃ……あの後石像はどうなったかの?」

「俺が木っ端微塵に吹き飛ばしました」

「お主の所為じゃーーーいっ!!」

 痛む身体を堪えながら叫ぶ学園長。確かにあの石像とリンクをしていたのであれば、同じように身体が削れたり千切れたりはしないまでも、その時の感覚はフィードバックするだろう。そう左腕が千切れたり、全身が木っ端微塵になる感覚をその身に受けてしまったわけだ。

「よく生きてますね」

「言いたい事はそれだけかね!?もういいわぃ、そこまで説明しなかったわしのミスじゃからの……」

「まあ過ぎた事ですし、細かい事は気にしない方がいいですよ?」

「(精神的に死に掛けるのが細かい!?)ま、まあ、その件は置いておくとして……今日のテストの事なんじゃがわしはこの様での、わしが担当しようとしたクラスのテスト採点を代わりに南雲君がやってくれんか?」

「……それくらいなら別にいいですよ。どこのクラスです?」

「さっき遅刻してきた2-Aの生徒八人分じゃ」





『第七話 テスト終了!そして春休みのVTN~前編~』





 学校に鐘が鳴り響き、期末テストの終了が訪れる。
 図書館島に行った明日菜達は、その帰った日からテストまでの十五時間をギリギリまで使い勉強した。あまりに頑張りすぎた為に、最後図書館組に目覚ましを頼み一時間ほど爆睡……が、図書館組もうっかり寝てしまい、寝過ごしはしなかったが登校はギリギリだった。そんな遅刻組は教師の新田に自分達の教室ではなく別の教室でテストを受ける様に指示される。こっそりネギがリフレッシュできる魔法をかけたりしたが、遅刻組が受けた期末テストの解答用紙を回収し、その教室を出た新田はそこに大きな人影を見る。

「新田先生、遅刻組の答案はそれですか?」

「南雲先生?ええ、これがそうだが……どうかしたのかね?」

「えっと、学園長の指示でその採点をやる事になりまして。新田先生も他に採点の仕事あるんでしょう?そちらの方を優先してやってくれ、との事だそうですよ」

「さすがは学園長、そこまでお考えとは……。それじゃあ南雲先生、よろしく頼むよ」

 最初は不審に思っていたが、学園長がという鶴の一声であっさり納得する新田。そんな学園長への態度の新田に多少呆れながらも、解答用紙を受け取り彼と一緒に職員室に戻る。職員室内はテスト前同様、皆机に向かって採点をしている。デスクワークが苦手な慶一郎だったが、図書館島の地底図書室内での戦闘による損害、その非常口内の螺旋階段八割方崩壊(慶一郎の奥義にて)……それだけの物的被害をチャラにする代わりの仕事といえば破格である。

(まあこれくらいで済むなら安い仕事だな)

 教師としては問題な事を考えながらも採点をしていく。図書館組に木乃香はさすがに高得点を出していたが、次はいよいよバカレンジャーの採点である。一日と少しの時間に詰め込んだ知識が、どれだけこのテストに影響しているのだろうか?……しかし、予想を反してバカレンジャーの採点は興味深いもので終わる。答案を見返して笑っている慶一郎に、高畑が声をかけた。

「どうしたんだい、南雲君?随分とご機嫌みたいだけど」

「やあ、タカミチ。いやなに、この答案見てみれば分かるよ」

「誰の……ってこれは明日菜君の答案かい!?……こいつは驚いたな」

「だろ?俺も正直ここまでとは思ってなかったよ」

 慶一郎も高畑も驚いている明日菜の期末テスト答案の平均点は、七十一点。バカレンジャーのレッドを誇る?彼女の成績では、未だ取った事がないであろう平均点。同様に他のバカレンジャーも以前とは違い、平均点が六十点以上を叩き出している。学力最下層にいたバカレンジャーのこの結果をクラスの成績に合わせると、学年トップクラスのいる2-Aであれば恐らくかなりの上位に食い込む事ができるだろう。

「じゃあネギ君も正式に教員になれそうだね」

「そうだな」

「教師について色々と悩んでいたからな~、これがネギ君の自信に繋がってくれると嬉しいんだが」

「大丈夫だろ?あの年であそこまで考えられれば十分だと思うよ」

 その後、残りのクラスメイトと合わせて見た結果……2-Aは初めての学年トップを飾る事になった。そしてネギは学園長から一つの辞令を受け取っていた。その内容は……。

『辞令 ネギ・スプリングフィールド 二〇〇三年四月二日を以って、麻帆良学園中等部教論に任命す。 麻帆良学園学園長 近衛近右衛門』





 期末テストが終わると、時期は三月末。学園は三学期終了式を行い、そこでネギの教師としての正式な採用が発表される。そしてもちろん、慶一郎もその副担任に改めて付く事も言われた。
 それぞれの生徒が教室に戻り、今学期最後のHRを2-Aもまた行っていた。やはり学年トップになった事で盛り上がるクラスに、慶一郎はもう気にしない事にしている。盛り上がりもそのままに鳴滝風香&史伽姉妹が『学年トップおめでとうパーティー』をしようと言う発言に、そのまま賛成し準備をしていく2-Aの生徒達。その中で何やら理不尽さを発していた長谷川千雨が、体調不良を訴え早退していったのを心配そうに見るネギ。そんな担任の事など気にせずに、慶一郎は先日新田に紹介されたとある屋台の事を考えていた。

(確か『超包子』だったか?あそこの中華は俺が以前働いていた所より、遥かに上のレベルだったからな。料理人を気取るわけじゃないが、あの中華料理は是非ともコツを教えてほしいものだ……)

 そう思い教室を見る。うちのクラスには『超包子』の関係者が二人いる……店長の四葉五月とオーナーの超鈴音だ。中学生で店長とかオーナーとか非常識な話ではあるが、一度目にしてしまえば納得してしまうのが慶一郎でもあるし、そもそも十歳のネギが教師をやっているのだから今更だ。教師兼管理人兼警備員としての給料は決して少なくはないが、自分自身の燃費の悪さや最近管理人室に飯をたかりにやってくる龍宮(予想以上に食べる)と刹那(恐らくは龍宮に連れて来られている?)の二人の分も考えると、やや物足りない。

(あの味であの規模の屋台では人手が足りているとは思えんが、いい年した大人が生徒に雇ってくれと頼むのも何だかな……。俺は気にしないが、向こうが逆に遠慮するという可能性もあるし、どうしたもんか?)

 二人の方を見て悩んでいると、その本人達が近づいてきた。

「どうしたネ、南雲先生?さっきから私達を見てるけど、何か用アルか?」

「ん?ああ、悪いな。……そうだ、ちょっと君らにお願いがあるんだけどいいかな?」

「構わないヨ。しかし珍しいネ、南雲先生が自分から生徒の方へ歩み寄ってくるなんてネ?どこかネギ先生も含めて、皆と距離をとっているいる様に見えていたヨ」

 そんな超の言葉に僅かに驚く。確かに別世界からやって来た慶一郎は、必要以上にこちらの人間と関わらないようにしていた。もちろん完全に拒絶していた訳ではないし、龍宮や刹那にネギのような魔法や裏の世界を知る者とはそれなりに交流はしている。要は他の一般の生徒にはあくまで一教師として、それ以上は踏み込まないようにしていた。

「驚いたな……まあ気にしないでくれると助かる。俺もいつまでもここにいる訳じゃないしな」

 超もまたその言葉に驚いている。二人して言葉に詰まっていると、超の横にいた四葉がその場を繋ぐ。

〈それで南雲先生は私達に何か用があったのですか?〉

「あ、ああ。いや実は少し言いにくいんだが……君らの経営している屋台『超包子』の人手って足りているかい?」

「ム?もしや雇用のお願いだったカ?人手はいつも足りてないヨ」

〈私達も古菲さんに茶々丸さん、それと葉加瀬さんの三人に主に手伝ってもらってはいますが、皆さん『超包子』を良くしてくれるお蔭でいつも満員御礼なので……〉

 店の評判が良く御客が沢山来るのは経営者としては嬉しい限りだが、肝心の運営する人手が足りていないというのが『超包子』の一つの問題であった。それに古菲や茶々丸に葉加瀬も常に手伝える訳でもない。超達二人は出来ればもう一人くらい助っ人が欲しいと考えていた。

「それなら俺で良ければ雇ってくれないかな?雇用条件はそっちに一任するからさ」

「良いのかネ?安く雇うかもしれないヨ?」

「構わないよ。雇ってもらうのはついでだからな」

「ついで?……どういう事かナ、南雲先生?」

 ついでという言葉にやや不快感を表に出す超に、慶一郎は言葉を訂正する。

「言い方が悪かったな。俺の一番の狙いは『超包子』の中華料理のコツを伝授してもらおうと思っていてね。海外を旅していた頃はよくレストランで働いていたからある程度の料理は作れるんだが、先日新田先生と食べに行った君らの屋台で味わった中華は俺が知っている中でも群を抜いていたからな。別に料理人というわけではないが、あの味を是非とも自分で再現してみたくなったのさ」

「……そうだったアルか。すまないネ、先生。つい感情的になってしまったヨ」

「俺の言い方が拙かったんだから気にするな。それでどうする?いつ頃から働こうか?」

「そうだナ、五月に意見はあるかネ?」

〈今日は葉加瀬さんと茶々丸さんは用事で、古菲さんも中国武術研究会に寄るとの事で遅くなりますから……〉

 四葉は少し困ったような目を向ける。

「そういうことなら今日からでどうだ、超オーナー?」

「ムムッ中々話が分かるネ、南雲先生」

〈すみません南雲先生。では今日の放課後、屋台までお願いします〉

 ペコリと礼をした四葉は、超と共にクラスのパーティー準備の相談に戻っていった。クラス単位でやるという事で、慶一郎も一部(特に龍宮)から料理を用意するように頼まれ、仕方なく大人数分の料理のレシピを頭の中に構築していった。



 四月も近く、見晴らしのいい丘に咲いていた桜の下で2-Aのパーティーは無事終わりを迎えていた。『超包子』組の料理も、慶一郎の用意した大量の手作りサンドイッチも両方ともクラスの評判は良かった。その途中ネギが長谷川千雨に酷似したうさ耳をつけた人物を連れてきて、恒例?のくしゃみでその服を吹き飛ばしたりしていたが、それ以外のその和やかな空気に慶一郎もまたくつろいでいた。
 そして放課後になると、慶一郎は予定通り『超包子』の屋台へと向かう。その途中には、既に開店間際の屋台に並ぼうとする人々が結構な人数が見えていた。

(学園人気一番とは聞いてはいたが、これ程とはな……)

 先日は営業中に寄っただけだったが、開店前からこれほどの人が並んでいるとまでは思いもしなかった。これだけの客がいるのであれば、二人だけでは到底捌ききれないだろう。今日は後から古菲も来るらしいので、そこからは楽だとは言っていた。

「おー待っていたヨ、先生。早速で悪いけど厨房で五月の補佐を頼むネ」

「それは構わんが、いきなり俺が四葉の補佐でいいのか?注文とったり運んだりする方が無難だと思うが……」

「私もそう思ったアルが、その……先生みたいな大きな男の人が注文とるよりも、私の方がまだ客受けがいいと思ってネ」

〈す、すいません。お気を悪くしたなら謝ります!〉

 超は言葉を選びながらそう言い、四葉は心底申し訳無さそうにしている。

「いや、確かにそれもそうだ。四葉も気にしなくていいぞ、補佐でもしっかりするからな」

 そう言って慶一郎は超から渡された『超包子』のロゴ入りのエプロンをつける。そのエプロンのサイズはLLサイズではあったが、ニメートルの慶一郎がつけたそれはどう見てもSサイズにしか見えなかった。超も四葉も準備が出来、春休みを迎えた麻帆良学園人気一番の『超包子』。そして慶一郎が働く最初のその開店時間の幕を開けた。



「四葉!こっちの下準備は終わった、次はアレで良かったか?」

〈わかりました!えっと、はい。アレでお願いします!〉

「注文追加来たヨ!二人ともよろしく頼むネ!」

 満員御礼の屋台を三人は必死に切り盛りしていた。厨房で働いていた慶一郎は補佐の方も手馴れていて、四葉もそれが分かるとメイン料理以外も簡単にレシピを説明し任せていく。厨房に入った慶一郎が思った以上に戦力になると分かった超も、注文をとったり運ぶ事の方に集中する。お客の方はいつも厨房にいるはずの超がウェイトレスをしている事を疑問に思いながらも、その滅多に見れない姿を脳裏に焼き付けていた。
 そんなこんなで中々終わらないピークを過ごしていた三人は、屋台の近くにやけに騒がしくなっている場所がある事に気付く。厨房から超に慶一郎は声をかける。

「どうかしたか?向こうの方が騒がしすぎるようだが」

「ん~多分いつもの事だから気にしなくていいと思うヨ、先生」

「とは言ってもな……客も気になっているようだし、しかも何かこっちに近づいて来てないか?」

「きっと、あれは古菲ネ」

 いきなり遅れてくるもう一人従業員?だと言われても、さっぱり事情が分からない。両手は料理を調理しながら、慶一郎は首を傾げていた。
 そんな時、近づいて来る喧騒の方から一人の男性が屋台の前の客席に吹っ飛ばされてきた。近くの机に派手にぶつかるとその上に載っていた料理の器が空を舞い、それを曲芸よろしくキャッチしていく超……。そんな光景に周りの席から盛大な拍手が興るが、その当事者はさすがにそこまで余裕は無かったようだ。厨房から出てきた慶一郎に支えられながら、ようやく体勢を持ち直し料理を空いている席に置く。

「……助かったネ。さすがに私もアレ以上はきつかったヨ」

「まあな。……それにしても、これは営業妨害みたいなもんか?」

「いや、さっきも言ったけど古菲が暴れているだけネ」

「…………暴れているなんて聞いてないぞ?」

 平然と言う超に呆れたような溜息をつく。これ以上事態が悪化しないように鎮圧する必要があると判断する。しかし店を放って置く訳にもいかず、慶一郎は一つの客席に向かう。そこにはカメラを取り出し、飛んできた男をフレームに入れていた自称パパラッチ、朝倉和美がいた。

「ちょっといいか、朝倉?」

「ふえ?南雲先生?な、何か私に用ですか~?」

 いきなり慶一郎に声をかけられ、ついどもりながら返事をする朝倉。

「バイト代出すから少し手伝え」

「手伝えって何を?」

「ここのウェイトレスを、だ。超、朝倉が仕事を手伝ってくれるから厨房に入ってくれ。俺はあそこの喧騒を鎮圧してくる」

「ちょ、ちょっと待ってよ先生!そんな事いきなり言われても……!?」

「じゃあ俺がここで働いている事の情報を売ってやろう。記事にするかはお前次第だがな」

「すまないネ、朝倉さん。すごく助かるヨ!」

「え?え?」

 狼狽したままの朝倉を超に任せ、問題の現場に向かっていく。その後渡されたエプロンをつけて働く朝倉は、超とは違った意味で珍しかったらしくかなりの注目を浴びていた。

(うう……何で私がこんな目に?どうも南雲先生に絡むとロクな事にならないな、私)

 そう心の中で反省しながらも、スクープという魅力にとりつかれた自分はまた同じ事を繰り返すという予感を密かに感じていた。実際に詮索を嫌う慶一郎に釘をさされておきながら、彼が『超包子』で働いている?という情報を確認しにここまで来ていたのだから。
 朝倉に仕事を任せて屋台に近づいて来る喧騒の方へと足を速める慶一郎は、その先に多数の人間に囲まれている古菲を確認する。その足元には何人かが悶絶して横たわっていた。

「さあ!もっと強い奴はいないアルか!」

 その言葉から察するに、古菲に対し周りの連中は何か勝負を仕掛けたようだ。彼女が未だに健在で、倒れている者がいるという事は見事に返り討ちにあったのだろう。まあそんな事はどうでも良かったが、遅れると連絡をしていながら厄介事に首を突っ込んでいるのはどうだろうか?と慶一郎は思う。

「古菲。『超包子』の仕事は現在進行中だぞ?こんな所で何をしているんだ?」

「南雲先生?どうしてここにいるアルか?」

「超から聞いてなかったか?俺も『超包子』で働く事になったんだよ。とにかく早く行け、超達が待っているぞ」

「で、でも、この連中が……って南雲先生!?」

 古菲が言い終わらない内に、突然割り込んできた大男に不審を抱いたのか、目標を慶一郎に変え突っ込んでくる数人の男達。自分の勝負に関係の無い人を巻き込んでしまい、珍しく慌てた声を上げる古菲だったがそれも杞憂に終わる。何故なら飛び掛ってきた男達に組み伏せられると思った瞬間、慶一郎の身体が一回転したと思ったらその全員を上方に撃ち上げていたからだ。宙に浮いた男達が重力によって地面に落ちるが、そこから立ち上がる様子はない。恐らくは高速の拳で、アッパーの様に下から上に顎を打ち抜かれたのだろうと古菲は読んでいた。

「話し中に襲い掛かってくるとはマナーのなっていない連中だな?連中の相手は俺がしよう、古菲は店に早く行くんだ」

「わ、わかったアル……」

 自分が受けた勝負ではあったが、その時の慶一郎の剣幕に押され、古菲はクラスメイトが待っているであろう屋台へ駆け出した。慶一郎の目に本能的に危険を察知したのだ。思わず逃げるような行動に追いかけようとする男達であったが、その目の前に立ち塞がるようにして立つ男がいた。両腕を組み立ち塞がる慶一郎の笑みは獰猛な獣を思わせる。

「マナーのなってないお前達に教師である俺が特別に補習授業をしてやろう」

麻帆良に来た漢! / 麻帆良に来た漢!第八話

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