第三十二話『さくらとサクラと呪術教会』
「さて・・・他のお嬢はん方も起きた事ですし、教会本山へ参りましょか」 場所はシネマ村の誰も居ない狭い道外れの路地、ミラーや知世達は桜達と合流して関西呪術教会本山へ行くまでこれからどうするのかを相談していた。 「あ〜またしても桜ちゃんの勇士を撮り逃してしまいましたわ〜!」 「と・・・知世さん・・・(汗)」 眠ってしまっていた事によって桜の勇士をまたとりそこない涙を流しながらふらりとなる知世、ミラーが呆れて知世の名前を呼ぶが、それは毎度の事なのでほっといておこう。 「知世さん・・・と言う事はミラーさんですわね、これからは私の事はちゃん付けでもかまいませんわ」 「そ・・・そうですか・・・」 ミラーの知世さんの一言で知世は桜ではなくミラーだと見破る知世、ここで知世の桜好きレベルがまた一つ上がった。 「それにしても驚いたで〜桜ちゃんが魔法使いなんて、・・・で知世ちゃんも魔法使いなん?」 「いいえ、私はそうではありません。ただ桜ちゃん魔法使いと言いますかカードキャプターなんですの」 「カードキャプター???」 魔法使いでも魔術師とかでもないカードキャプターそんなものを初めて聞く木乃香は目線を上にして考えて、そこへ知世が丁寧に分りやすく短く説明する。 そして知世の説明はカットしておいて知世は説明が終わると木乃香の目の前に居る桜はミラーだと言うことを伝えた。 「はい、先程から木乃香さんの目の前にいらっしゃる桜ちゃんも桜ちゃんのサクラカードさんの一人であるミラーさんなんですよ」 「え・・・それほんまなん?」 木乃香はじ〜っと桜の顔をしたミラーの顔をみて、ミラーは少し一歩後退し両手を前に出して簡単に答えた。 「あ・・・はい、私は『鏡』(ミラー)と申しまして能力は分りやすく言いますと私・・・鏡にうつったもののコピーです」 「へ〜凄いねんな〜」 話が分ったのか分ってないのか分らないくらい目を点にしながらあっけらかに納得する木乃香、朝倉もまた今目の前に居る桜がミラーだと理解してミラーに話しかける。 「にしても殆どこれは桜ちゃんだね〜昨日の夜出てきてたのもあなたでしょ?」 「は・・・はぁ」 ミラーがその事を答えるとすぐにメモ帳を取り出してなにかメモり出す朝倉、また何か悪巧みしてそうな面をしている。 するとケロちゃんが話を一番重要な事に戻した。 「・・・にしてもミラーどないするんや、ハルナ姉ちゃんとか言うのももう起きてしもてるし何時カードに戻るんや?」 ふわふわと浮かびながら腕を組み発言するケロちゃん。 「そこなんだよね〜、特に夕映ちゃんはこう言う事に鋭いしミラーちゃんも下手うって偽者だと気づかれたらダメだよ」 「はい」 朝倉の言う通り一番気を付けなければいけないのは夕映の存在、夕映はバカレンジャーのリーダーをやっているが決して馬鹿じゃない、ただの勉強嫌いなだけであってその洞察力などの鋭さはかなりのものがある。 「まあ今の所はミラーさんは桜さんだと言うことで行きましょう」 「そうやな、そこらへん間見てすり替わったらええだけやし」 「ワイが先桜ん所行って言っといたるわ」 ケロちゃんは刹那の言うとおり今の所はミラーのままと言う事にしておいて、桜達がいる場所へと先回りするために朝倉達から飛んで離れる。 その飛んでいる最中ケロちゃんはふとこんな事を思った。 「せやけど・・・何でイチイチ小娘の所へ集まっとるんかな?」 「まっ・・・ええや行けばそこらへん分るやろうて」 そしてまっすぐ飛び続けるケロちゃん、するとケロちゃんの目に桜達の姿が見えすぐそばまで行った。 「桜〜!」 「あ・・・ケロちゃん」 「ぬいぐるみか、そっちの方は片付いたか?」 「ありゃりゃこりゃあようさん仲間が増えとんな〜、あ・・・あんさん異世界の小僧やないかい!」 真紅達を見回しながらシャオランを見つけ指をびしっ!―――と指すケロちゃん、桜はすぐにケロちゃんの行動を止める。 「ケロちゃん、もう戦わなくて良いんだよ全部ちゃんとシャオラン君から話は聞いたし」 「お・・・桜も話聞いたんか、ワイももう異世界のサクラから大体の事聞いとる、あんさんら大変やな〜サクラの羽探してい世界中飛び回ってるなんてな〜」 「そうでもないですよ、これも姫の為ですから・・・で姫は?」 「ああ異世界のサクラな、ネギ坊主達と今ピクニック気分でサンドイッチでも食っとるんとちゃうか?」 もう敵じゃないと聞くと一気に気を緩めるケロちゃん、一方話しに出たサクラやネギ達はと言うとケロちゃんの言う通りピクニック気分を堪能していたのは言うまでもない。 そしてここにケロちゃんの登場により悩んでしまう人形が二人ここに居た。 「ああ・・・また変なのがでてきたです〜(しかも関西弁?)」 「あきらめなさい、今日はもうこう言う日なのよ」 もうすでにこう言う日だとあきらめるしかないと翠星石をなだめる真紅、するとケロちゃんが翠星石の発言にツッコミを入れてきた。 「そこ〜誰が変なのや!―――わいは封印の獣ケルベロスや覚えとくんやで!」 「・・・でケロちゃん、どうしてこっちにきたの?」 「お・・・そうやったそうやった実わな・・・」 桜により思い出したかのように事の成り行きを桜達に説明するケロちゃん。 「へ〜そうなんだ」 「だからな、ハルナ姉ちゃん達のすき付いてミラーと交代するっちゅう事になったんや」 「それだったら私最初隠れてなくちゃね」 「ミップルも隠れるんだよ」 「メップルもね・・・いつも通り携帯の姿になるのよ」 「「分ったメポ」」 するとポン!っと携帯の姿に変化するミップルとメップル、他に翠星石とかの人形も居たのだが、 「・・・でそこの赤いのと緑のはどうするんや人形やろ?」 「それだったら面倒だしこのチャチャゼロ同様機械で動いてるって言えば良いでしょ」 とゼロと同じ扱いと言う事になった。 「そう言えばチビ人間達どうするですか?」 「そうね、これ以上人数増えるのも困りものだしほっときましょ」 「そうですわね」 「ナンカビミョウニヒドイナオマエラ」 「真紅も翠星石も酷い酷い〜♪」 微妙に酷い事をさらっと言う真紅、ゼロは真紅にツッコミを入れモコナはそれに賛同する。 「あらっ・・・貴方はぬいぐるみのフリをするのよ」 「え〜〜〜〜!!!」 「モコちゃん・・・ごめんね・・・」 「ぐすん・・・モコナわかった〜」 モコナはぬいぐるみのフリは嫌なのだが桜達の迷惑をかける事はできないのでしぶしぶ了解する。 「さて・・・もうそろそろ鶴子姉ちゃん達来るけどぬいぐるみのフリ失敗すんなや」 「ちょい待て黄色いの、今鶴子とか言わなかったか?」 ケロちゃんの言葉を聞くなり反応する黒鋼、 「言ったけどなんや兄ちゃん」 「そいつなんか刀とか持ってなかったか?」 「お〜お〜持っとったな〜」 「そうか・・・アイツが来るのか・・・」 黒鋼は来るのが鶴子だと分ると剣士の血が騒ぎ出す黒鋼、だが今は戦っている暇はないのでシャオランに止められる。 「黒鋼さん、今ここで戦うのだけはやめてくださいね」 「ちっ・・・それくれえわかってるぜ」 そんなこんなでケロちゃんの話も終わり後は鶴子達を待つだけになる桜達、桜は身を隠して鶴子達の到着を待つ。 そしてまっている最中ユエとモコナはふとこんな会話をしていた。 「そう言えばねぇ」 「なんだ?」 「モコナとユエって前に会った事ってないかな?」 「・・・・私にはあった記憶はないが・・・」 「モコナもないと思うんだけど・・・あった事があるような気がするの」 「どういう意味だ」 「モコナもさっぱりなの〜」 こうして桜達が待つ事数分、ようやく鶴子達が姿を現した。 「お〜よ〜さん集まってはるどすなぁ、―――っと昨日見た顔も有りますな」 「よお、お前が来るって黄色いのから聞いたが今日は小僧に免じて戦うの止めといてやるぜ」 「そうおますな〜、ウチかてこれ以上お肌に傷つけられたくないどすし」 鶴子は着ていた服の腕の部分を少しめくり昨日黒鋼に付けられた包帯の巻かれた傷の部分をチラッと見せる。 それをみた刹那は驚いた。 「つ・・・鶴子お姉様その傷は!?」 「なあに、先日そこのお人と一戦交えて付いた只のかすり傷どす」 (・・・鶴子お姉様が手傷を負うとは・・・この男只者ではないな) 刹那は汗を流しながら黒鋼を鋭い目つきでじっとにらむ、だが黒鋼は今戦う気はない。 「心配するな、俺はもうお前等と殺リ合うつもりはねぇからな」 刹那からの鋭い殺気&目つきにより黒鋼はもう戦わないと断言する。 すると後ろからハルナが出てきて話を日かき回した。 「なになに〜、何の話してるの?・・・まさかこのお兄さんと鶴子さんできちゃったりしてたりして・・・それは人妻への禁断の愛だった・・・とか」 「んな訳ねぇだろ!!」 ハルナの話にすかさずツッコミを入れる黒鋼、だが鶴子もハルナの話に乗ってきた。 「そうどすな〜、ウチがまだ結婚してなかったらこの兄さんに浸かれ取ったかもしれんな〜」 「いい加減な事言うなこのクソアマ!」 「ほうほう・・・φ(.. )メモメモ」 「そっちもメモるな!」 鶴子の言葉にメモ帳を取り出して書き始めるハルナ、黒鋼のツッコミはまた飛びこれはすでにモコナ&ファイにツッコム時と同じ状態になってしまっている。 しかも刹那は黒鋼の発言を聞き一人だけシリアスになっていた。 (す・・・凄いあの鶴子お姉様にクソアマなんて悪口・・・初めてみました) 「・・・で他に色々と人が増えているみたいですがあなた方はどちら様なんでしょうか?」 「あら・・・そうだった紹介がまだだったわね」 「ま・・・それよりも紹介は後にして先に教会本山の出口付近にいる刹那はんの先生の坊やの所にでも参りましょうか」 「そうですね、ここで紹介してもまたネギ先生のところで紹介しなければならない・・・ならばネギ先生と合流した所でしておいた方が小説的にも簡単と言うわけですね」 紹介がまだだったが小説的にも今紹介するよりネギ達と合流してから紹介した方が良いと考えた鶴子達、するとその考えどおりすぐにネギ達の所へ移動した。 ―――途中桜がミラーとこっそり交代しながらも関西呪術教会本山の出口付近まで辿り着いた桜達、桜が通った時にはファイや小太郎は別の場所で正座させられている為かすでに居なかったが、ネギやサクラ達とは会うことができた。 「姫!」 「シャオラン君・・・無事だったんだね」 「こんにちは」 「あ・・・あれっ・・・私?」 サクラは桜に指をさして頭の上に?マークをいくつも並べる。 そこへ桜がサクラへ自己紹介をした。 「始めまして・・・で良いのかな木之本桜です」 「さ・・・桜ちゃんが・・・桜ちゃんが・・・」 「「二人いる〜〜〜〜!!!!」です」 「ミラーちゃん?」 「違いますよ木乃香さん」 魔法の事とか今回の事をまったく知らされていない夕映とハルナは驚き、まだそこらの事を理解していない木乃香はミラー?だと聞きネギに訂正される。 すると桜は大口あけて驚いている二人にそっくりさんと言う事にしておいて説明した。 「な〜んだ・・・そうだったんだそっくりさんね・・・今一瞬私桜ちゃんのドッペルゲンガーかと思っちゃった・・・もしくは双子?」 「しかし、顔も同じで名前も同じ人物っているものですね」 「そうですわ、桜ちゃんが二人いる・・・これはすでに天が下さった幸運とも言える奇跡・・・これはしっかりと桜ちゃん達を撮りませんといけませんわ〜♪」 「「と・・・知世ちゃん・・・(汗)」」 知世にとって桜が二人いると言う事はめったにない・・・と言うよりもまったくなかった事、知世はすかさず仮契約カードを取り出して二人の桜を取り始める。 するとハルナが何かに気づいたのか二人の桜に指をさした。 「あ・・・こんなに似ている二人にも違う点一つ見つけた!!」 「え・・・?」 「二人とも声が違うのよ声が!」 「「え・・・そうですか・・・あっ本当だ」」 二人一緒にハモリながら発言する桜とサクラ、一瞬で声が違う事に気づく。 「ハルナこんな小説にとって危険な話は止めておいてそろそろ早く自己紹介にいくですよ」 「あ・・・そうだったごめんごめん、先ず私から行くね・・・」 そして危険なネタもこのくらいにしておいて、自己紹介へと映るハルナ達、後の事は分りきっているものなので最後のネギの紹介までカットされる。 「そして最後に紹介しますのは、ウチのクラスの担任の先生・・・ネギ先生です!」 「どうも皆さん始めまして、ネギ・スプリングフィールドともうします」 「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」」 一瞬なぎさやほのか等に沈黙が走り、目が点になる。 そしてやっと全員がネギについて理解するとネギが先生だと知らなかった全員が一斉に大声を上げた。 「「「「「え〜〜〜〜〜〜!!!!!!」」」」」 「え・・・なになにこんな子供が先生をしているの!?」 「わ〜頭を揺らさないでください〜」 「なぎさ・・・抑えて抑えて」 「分るわよなぎさちゃん、私だって最初はこんなお子ちゃまが〜!・・・っとか思ってたから」 なぎさはネギの頭の上に手を置きかなりのスピードで揺らしほのかに止められる。 明日菜はなぎさの言葉に過去を思い出しながらうんうんとうなづいている。 しかも人形二人はと言うと頭を抱えてしまってゼロにツッコまれている。 「真紅・・・私もう頭が痛くなってきましたです・・・」 「耐えるのよ翠星石、時期に慣れてくるから・・・」 「こんなの慣れたくないです・・・」 「ダカラオマエラヒトノコトイエナイゼ」 そしてそんなこんなで関西呪術教会の建物前、エヴァは手の指の関節を鳴らしながらどす黒いオーラを出していた。 「さ〜てもうそろそろ呪術教会本山だ・・・さてどう詠春を料理してやろうか」 「エヴァちゃん・・・ダメだよひどい事しちゃ」 「大丈夫だ、少しお仕置きするだけだからな・・・フフフフフ・・・」 「だからエヴァちゃんそれがダメなんだって・・・(汗)」 桜が止めるもよりいっそうどす黒いオーラを上げるエヴァ、もうすでにエヴァの頭の中には血まみれの詠春が転がってしまっている。 「それじゃあ皆レッツゴー!」 「若い子達は元気があってよろしゅうおますな〜」 そしてハルナが一番のりで建物内へ入っていく。 すると建物内には巫女服を着たたくさんの女性が待ち構えていた。 「お帰りなさいませ、木乃香お嬢様ーーーッ」 その壮大な人の数にハルナは立ち止まり後ろを振り返って木乃香や桜達が入ってくるまで待つ。 「うひゃ〜話には聞いてたけどこれ木乃香のお屋敷の人?」 「近衛さんってこんなに凄い所のお嬢様だったんだ〜」 「いや〜そんな凄いもんやないよ」 若い女の子は仲良くなるのが早く、なぎさは気安く木乃香に話しかける。 「桜とかいっぱいで良い感じのところです」 「そうね・・・」 「ドウダシンクイッチョッコンヤアタリゴシュジンノベッソウカラダマッテクスネテキタコレデイッパイヤッカ?」 「良いわね、貴方はお酒飲めるのかしら?」 「オサケトカノミモノクライナラノメルヨウニデキテルゼ」 「それよりもあなたちゃんと私達をもてないのかしら、これじゃあジュンの方がいくらかマシだわ」 「そうですちゃんと持ちやがれこの狂犬人間!」 「誰が狂犬人間だ、そんなに嫌だったら自分の足で歩け自分の足で着いたんだからよ!」 真紅達は自分の足であるかずに黒鋼に右手に真紅、左手に翠星石と持たれゼロにいたっては頭に手を置いて喋って文句を言い黒鋼に犬の様にツッコまれる。 「・・・シャオラン君の言った事木乃香さんのお父さん聞いてくれるかな?」 「姫の羽の為です、土下座でも何でもしますよ」 「でも・・・聞いてくれなかったら」 「大丈夫だ桜、私も詠春の事はよく知っているがアイツはあまい性格をしているからな・・・」 「まあもし拒否したら私が拒否できないようにするだけだ」 「エヴァちゃん・・・だからそれちょっと黒いから・・・」 桜と話しながらもまたどす黒いオーラを話しながら今度は手をワキワキとしているエヴァ、桜はそんなエヴァの方において汗をかきながら話しかける。 「え・・・それって何の話ですか?」 話をしているときにその場にいなかったサクラは、桜達の話についていけずに質問する。 「あ・・・サクラちゃんは聞いてなかったね」 「それはですね、簡潔に良いますと長にお願いしてスクノカミの封印を解いてもらう事にしたんですよ」 「そうだ、たかがリョウメンスクノカミの一匹や二匹、この私と同等の力を持ったものが数人いるんだ、少し羽を取り出すために封印を解いても、私達の手にかかれば瞬殺だろう」 「特にこの桜の魔力の力は私以上、破壊力だけならナギの魔法を超えているくらいだからな」 エヴァ一人で相手をしても勝てそうなくらいのレベルの鬼神、そのエヴァレベルの使い手が何人もそろっていればこれはもうスクノカミと言えど集団イジメと変わらないくらいの力量差が出てくる。 「へ〜桜ちゃんってそんなに凄いんだ・・・っと言うよりも何か変な感じがしますね、異世界と言っても私に私の名前で呼ぶのって・・・」 「そうだね・・・(///)」 双方異世界の自分にちゃん付けで呼び合っている事を認識して顔を赤らめあう二人、その横で知世は目をキラキラとさせて二人をビデオカメラで撮り続けている。 「私は異世界でも桜ちゃんはサクラちゃん・・・どちらも最高に可愛らしいですから一緒に撮るまでですわ〜」 「「と・・・知世ちゃん・・・(汗)」」 「しかも呼びの桜ちゃんのバトルコスチュームを着ていただければもう私は昇天確実ですわ〜」 知世は叫びながらバックの中からいつのまにか持ってきていたの予備のバトルコスチュームを取り出す。 これはもう周囲は木乃香を抜き笑うしかなく、木乃香はオオー!!っと拍手して桜は汗を一粒たらす。 「「「ははははは・・・(汗)」」」 「知世ちゃん・・・予備あったんだ・・・(汗)」 そしてそうこう話している間に全員建物内に入り用意された座布団にエヴァ以外座る。 「皆さんそろそろ長はんがお越しになるぇ」 鶴子の一声に皆は階段上に目線をやると上から呪術教会の長である近衛詠春が出てきた。 「お待たせしました、ようこそ明日菜君クラスメートの皆さんと他の皆さんそして担任のネギ先生」 「お父様久しぶりや〜!」 木乃香は久しぶりの父との対面に詠春に抱きつきに走りエヴァは歩いて詠春に近づく。 「はは これこれ木乃香、エヴァンジェリンさんも久しぶりです登校地獄の呪は解けたみたいですね」 ―――ドゴウ! 「ガハッ!」 イキナリ詠春のみぞおちに拳を食らわせるエヴァ、その瞬間からエヴァは鬼のような形相になり背中にオーラをしょって大声を出しながらボコボコと詠春を弄り始めた。 「このダメへたれ詠春が、貴様は自分の配下すらまともに抑えられんのか!」 「うげっ! ぐぼ! ぐは! どぼ!」 「この私に尻拭いさせおってからに性根から叩きなおしてやる!」 「しかしですね・・・」 「口答えするな!」 ―――ドゴォ! 「ドアハッ!!!」 詠春の弁解もまったく聞かずに弄りに弄りに弄りまくるエヴァ、もうすでにだんだんと床が赤く染まりあがっていってしまっている。 「こ・・・これはちょっと止めなきゃいけないんじゃない?」 「そうやな〜このままやとお父様死んでまうかもしれへんしな〜」 「私が止めます」 あまりの悲惨さに桜はエヴァを止めようと前に出る。 「木乃香さんのお父さんが死んじゃうからエヴァちゃんダメだよ!!」 その瞬間エヴァの体はピタッ!・・・と止まり、エヴァは一言セリフをほざいて詠春を弄るのを止めた。 「そ・・・そうか、詠春今日のところは桜に免じてここまでにしておいてやろう・・・」 「ここまでって・・・もうすでに木乃香のお父さん血まみれになってるわよ」 「ツンツン・・・カロウジテイキテルナコイツ」 エヴァが弄るのを止めたのは良いのだがもうすでに詠春は血まみれとなってしまっていてゼロに指でツンツンとつつかれている。 「ああ! のどかがこの惨劇に耐え切れなくなって気絶しましたです!」 「わ〜のどかちゃんしっかりして〜!」 しかもその惨劇のおかげでそれを見ていたのどかは貧血で倒れてしまい、桜達が起こしにかかるが10分間くらい気絶したままとなってしまった。 「今から山を降りると日が暮れてしまいますので今日は泊まっていくと良いでしょう、歓迎の宴を用意しますよ」 そして何とか一息入れたネギ達は、頭からまだ血をどくどくと流した詠春にここに泊まる事を進められる。 「あ・・・でも僕達修学旅行中だから帰らないと」 クラスの統率とかいろいろ仕事があるネギはそれらの事も考え断る。 「それは大丈夫です、私が身代わりを立てておきましょう」 「あの・・・私達の分もですか?」 「はい」 「あの、木乃香さんのお父さん私の場合は『鏡』(ミラー)さんを送りますので大丈夫です」 「そうですか」 身代わりを立てられると言うなら了解するネギ達、すると桜はユエに話しかけた。 「それとユエさんも元の場所に戻っておいてください、今頃たぶんまき絵ちゃん達雪兎さんを探していると思いますので」 「分った・・・」 桜から戻るように言われるとすぐに建物内から出て行き雪兎としてもといた場所に戻るユエ、その頃まき絵達の班は雪兎を何時間も探し回って一日つぶしてしまっていたのは言うまでもない。 「ところで木之本桜君・・・と言いましたか」 「ハ ハイ」 「聞いてはおりますが凄い魔力の持ち主みたいですね、それも木乃香に並ぶ程の魔力を」 「ですから気をつけてください、桜君の魔力はウチの木乃香同様何時狙われるか分らない程のものですから」 「し・・・心配してくれてありがとうございます」 「それと・・・そこに居るシャオラン君でしたか、君も私に用事があるようですが」 「はい・・・」 するとシャオランは詠春に羽の事を事細かに説明してスクナの封印を解除する事を申し出る。 「そうですか、そこに居る異世界のサクラ君の羽の為にスクノカミの封印を・・・」 「そうです、ですからお願いします、封印されている鬼神はおれ達が責任を持って倒しますので」 「わかりました、リョウメンスクノカミと言えどもこれだけの手誰が今そろっているのです、封印を解放してから即座に倒して再封印位大丈夫でしょう」 考えるまでもなく即座に決断した詠春、何かあるかも知れないがシャオランは一応礼を言う。 「そうですか、ありがとうございます」 「そもそも私もこの時が来るかもしれないと思っていた所ですし・・・」 「え・・・それはなぜ?」 思わせぶりなセリフをはく詠春にシャオランは何故かを質問する。 「あの羽は私がナギと共にスクノカミと戦っている最中に突然この世界に出現したもので私は羽を使う事を反対したのですがナギが「いちいち倒してから封印すんのめんどうだ」との一言で羽を使い力づくで封印したのです」 「誰の物とも分らない羽それは元々貴方達の大切なものだった、ですから私はあなた方にそれを返さなければならない義務があります」 「羽の為に天草千草に加担していたみたいですが我々は攻めたりはしません、元々かってに羽を使ってしまった私達に責任がありますから」 「ハイ ありがとうございます」 かなり律儀な詠春の話にシャオランは素直に聞き入れるが黒鋼は律儀だな・・・と呆れている。 「他に仲間なども居るようですがその辺は何とかなりますでしょうし今日の所は宴を楽しんでいってください」 ―――そして夜になり宴が開かれ桜達は普通に宴を楽しんでいたが、真紅・翠星石・ケロ・カモ・ゼロ・モコナは隣の部屋で宴をさせられていた。 「なぜ私達だけ別部屋で宴なのかしら」 「ショウガネェダロ、ケルベロスヤカモミールタチハヒトマエニデシャベレネンダカラヨ」 「モコナも人形のフリばかりじゃ楽しくないし〜」 「それにしたってこの扱いは酷いです下等な人間共が・・・」 「まあまあそんな愚痴っとらんともっと楽しくいこうや」 自分達だけ自分の部屋にやられている事に愚痴をたれる真紅と翠星石、だがそれではモコナたちが楽しくなく、ケロちゃんはまあまあと真紅や翠星石をなだめる。 「それにしてもテンション高すぎですこのぬいぐるみ」 ケロちゃんにとって禁句の一言を言う翠星石、するとケロちゃんは怒り出した。 「なんやと〜誰がぬいぐるみやねん、わいはケルベロス『黄金の瞳の最強の守護獣』や!」 「まあまあケルベロスの旦那」 「そんなぬいぐるみの姿でどこが最強なんだかです〜」 「カッチーン! 頭きたで〜見とけやワイの本当の姿を」 (や・・・やべ・・・) ケロちゃんは怒りで何かのスイッチが入り真の姿ケルベロスへと戻る。 翠星石とモコナは拍手喝采してケルベロスはエッヘン!・・・と鼻息を出す。 「お〜凄いです〜」 「どうや見たかワイの真の姿カッコええやろ!」 「わ〜いケロちゃんGO!」 「GO!・・・って何時の間に乗っとるんやモコやん!」 そしてすでに気がつくとモコナがケルベロスの背中に乗ってハシャギ体を揺さぶる。 「行くです行くですGOGOです〜!」 「面白そうね、私も乗ってみようかしら」 「・・・て真紅と翠星石もかい!」 モコナに引き続き真紅と翠星石もケルベロスの背中に乗り込んでくる。 するとカモはその真紅達に一言注意した。 「あまりはしゃがないでくだせえよ、隣の部屋には夕映っちとか一般人がいるんすから!」 「わかっとるわかっとる・・・」 「大丈夫よ、一般人といってもたかが二人程度だし」 「それじゃあレッツゴーです〜!」 「はいはいっと・・・」 ケルベロスはカモの言葉を了承すると隣の部屋に響かないようにゆっくりと歩く。 だがこんなものは人間馬乗りと変わらないからすぐに翠星石やモコナはあきる。 「もっともっと早く走るです〜!」 ケルベロスの背中に乗りながら腕をフリ足をバタつかせるケルベロス。 「でもな〜これ以上は桜達に怒られるで」 だがこのようにケルベロスは桜が怖いので走ることはまったくしない。 「え〜それじゃあモコナつまんな〜い」 「そんな事気にせずに行くですよ〜」 「無茶いっちゃダメっすよ、ケルベロスの旦那にも立場と言うものがあるんすから」 「それもそうね。隣の部屋には一般人等もいるんだからしょうがないわね」 そしてカモが二人をなだめて真紅まで騒がない派に周り翠星石は膨れっ面になる。 「ぶ〜真紅もそう言うですか〜」 「そいじゃあワイも仮の姿に戻って好きなたこ焼きでも食うか・・・」 ケルベロスは翠星石達を乗せたままたこ焼き等の料理がある所まで戻る。 するとまだ騒ぎ足りないモコナはある事をひらめいた。 (あ・・・モコナひらめいた!) 「翠星石ちょっとモコナに任せて」 「ちょ・・・何するですか?」 するとモコナは翠星石の耳にひそひそと小声で耳打をして自分の考えを翠星石に伝える。 そうしたら翠星石の顔は悪どい顔つきになり、ひっひっひとモコナの考えに賛同した。 「お〜それは言い考えですね〜」 「そうそう、この作戦ならケロちゃんにうってつけでしょ」 「おい何やっとるんやはよわいの背中から降り〜な」 モコナと翠星石が乗ったままではケルベロスは仮の姿に戻れないので早く降りるように催促するケロべロス、すぐに真紅がゆっくり降りようとすると先にモコナが動いた。 「わかった〜」 すばやくケルベロスの背中から飛び降りたモコナ、するとモコナはすぐそばにあったたこ焼きの乗った皿をさっとくすねた。 「あ・・・何すんねやモコやん!」 「食べたかったらここまでおいで〜!」 たこ焼きの乗った皿を持ちながらすたこらさっさと逃げ始めるモコナ、ケルベロスは奪われたたこ焼きのためか真の姿のままで走り始めた。 「はよ返せやワイのたこ焼き!」 「こっこまでおいで〜」 「わ〜いわ〜いGOGOです〜!」 もうすでに騒いだりしてはいけないの事を忘れてモコナを追いかけ始めるケルベロス、その背中には前に楽しそうにケルベロスに乗っている翠星石とそれを止めようとしている真紅が居る。 「ちょ・・・モコナ翠星石止めなさい・・・」 「ケルベロスの旦那も止まってくださいっす!」 「わいのたこ焼き〜!」 「わ〜いわ〜い!」 グルグルグルグル部屋の中を走り回っているモコナにそれを追いかけるケルベロス。 するとモコナはあろう事か廊下にまで逃げ出した。 「あ・・・まてやコラーモコやん!」 当然追いかけるケルベロス、カモも当然この行為を必死に止める。 「あ〜旦那廊下はまずいっすよ廊下は!」 「たこ焼き〜!!!」 「あ〜〜〜」 だが当然カモ如きが止められるケルベロスではない、ケルベロスは翠星石と真紅を乗せたまま廊下へと出て行ってしまう。 「こうなったらもう止められないわね・・・」 「モウハラククレヤカモミール」 そしてもうすでにケルベロスを止められないと悟る真紅に暢気にワインを飲みながらカモをさとすゼロ、一方宴が開かれている隣の部屋では・・・ (なんだかさっきから隣がうるさいですね・・・) 隣の部屋に一番近い位置に座っている夕映は先程から隣の部屋がどたどたとうるさい事を気にしていた。 そして夕映がふと前の廊下側を見てみるとちょうど開いた一つの襖の向こう側をイキナリ何処かで見たライオンみたいな生き物に乗った真紅と翠星石が「「わ〜!!!」」との勢いで一瞬走っていくのが見えた。 「「「!!!」」」 一瞬走って行ったケルベロスの姿を見て理由は違えどちょうど廊下が見える方に据わっていたのどか・夕映・ひかり・明日菜驚いて震え始める。 「どうしたの夕映にのどか?」 反対に廊下が見えない位置に座っていたハルナは震え始めた夕映やのどかにどうしたのか聞く。 「い・・・今何処かで見たライオンみたいなのが通って行ったです!」 「へ・・・何言ってんの夕映!?」 ケルベロスを見たことで騒ぎ出し始める夕映、一方一緒に見た他のもの達はと言うと・・・ (い・・・今さっきのは!?) (ちょ〜何やってるのよケロちゃん!) (わ・・・わわわわわ・・・桜ちゃん桜ちゃん!廊下廊下!・・・てあれ?―――エヴァンジェリンさん・・・) それぞれ色々と頭の中で騒いでいてのどかが一生懸命に別机に居る桜にケルベロスの事を伝えようとする。 ―――だが、先にエヴァが動いていてさっさと廊下へと出て行った。 そう、エヴァ達はこのようにして先に察知していたのだ。 (何してんだあいつら?) (ケルベロスはんは元気おますな・・・) (僕が行きましょうか?) (桜は気づいてないみたいだし私が行こう・・・) 気がついていたのは桜と同じ机に向かっている小狼や黒鋼、鶴子にエヴァであったが鶴子と黒鋼はまったくもって気にしていない。 だから小狼とエヴァはアイコンタクトでエヴァが止めにいく事にして廊下を出て行ったのだ。 エヴァにとっては話に夢中になっている桜を気遣っての行動だか、この選択がまた波乱を呼んでしまったことは言うまでもない・・・ 「コラ!・・・なにやってるんだぬいぐるみに人形共!」 こうして走り回っているケルベロスたちの前に怒鳴りながら出て行くエヴァ・・・ 「わ〜いわ〜い!」 「またんかどけや小娘!」 だがケルベロスはまったくエヴァのことを無視して前足でエヴァを蹴り飛ばす。 「ぶべらっ!」 「ア・・・ゴシュジン!」 エヴァはケルベロスにぶっ飛ばされ地面へと落下する。 するとエヴァは自分の頬を抑えながら黒きオーラを背負って立ち上がった。 「こ・・・この私を無視してしかもなお(前)足蹴りを食らわせて行くとはいい度胸しているなこのぬいぐるみが・・・」 「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック・・・」 ・・・そして呪文詠唱しながら追っかけて行くエヴァ 「『氷爆』(ニウィス・カースス)!」 ケルベロスに追いついたエヴァはケルベロス近くで魔法を発動させケルベロスに自分の存在を気づかせる。 「なんや小娘・・・わいの邪魔をする気か!?」 「・・・そうだぬいぐるみ、二度と走り回る事のできぬように今ここでズタボロに引き裂いてやる!」 「やって見れるんならやってみ〜!」 またもやいつもの喧嘩へと走り始めたケルベロスとエヴァ、だが今はすぐ近くの部屋には夕映とハルナが居る。 (や・・・やべ〜! こここのままでは絶対にあの二人にバレるっすよ・・・) 「いえ〜いやれやれ〜!」 「面白そうです〜!」 「やれやれ・・・」 「コウナッタラモウトメラレネエナ」 モコナと翠星石はすでにケルベロスから降りて二人の喧嘩を一緒になって盛り立てて真紅とゼロはもうすでにゆっくりと今度は紅茶をすすっている。 ―――その頃部屋内では・・・ 「あっほらまた通ったです! ハルナ後ろ後ろ!」 「え・・・何もいないじゃない、夕映熱でもあんの〜?」 ○村後ろ後ろ・・・ではなくハルナに気づかせようハルナの後ろの廊下をさして大声を出す夕映、だがハルナが見たときにはケルベロスたちは通った後なのでハルナは熱はないかと夕映のおでこを自分の手のひらでさわる。 「ほらっ・・・ネギ先生達と図書館島の地下へ行った時・・・と言ってもハルナは行ってないですし・・・」 前にケルベロスと一緒にあっている夕映は何とか伝えようとするがなかなかその案が出てこずのどかにまで振る。 「のどかも見たですよね!」 「え・・・えと私は・・・」 「えと・・・私も見てないよ〜」 「私はこちらを向いていましたので・・・」 「私も見てないです・・・」 皆知らないと口裏を合わすのどか達、だが一度ならず二度までも見てしまった夕映はまったく落ち着く気配がない。 「ほら〜皆見てないって言ってるじゃない!」 「本当に見たですよ!・・・ほら今どこからか爆音が!」 「え・・・爆音?」 夕映の聞いた爆音はエヴァが『氷爆』を唱えた時にでた爆音、しかも今の爆音で桜もケルベロスが騒いでいる事に気づいてしまった。 「今度こそおれが行ってきましょうか?」 「いえ・・・私が行ってきます皆は少し待っててね」 「こうなったケロちゃんとエヴァちゃんの喧嘩は(私か)桜ちゃんしか止められませんから」 そして桜はケルベロスとエヴァえを止めるために宴の部屋から出て行く。 ―――そんな事もつゆ知らずケルベロスとエヴァは今なお続いていた。 「もう何回決闘したか忘れたけど今度こそ消し炭にしたるわ!」 「それはこっちのセリフだぬいぐるみ、どっちが上かを今度こそ納得させてやる!」 「くらうんや!・・・わいの本気の地獄の業火を!」 「そっちが火ならこっちは氷だ・・・氷付けにしてやる!」 二人とも一歩後退しそれぞれケルベロスは大きく息を吸いエヴァは呪文を唱え始める。 「リクラクララックライラック・・・」 「スゥ〜〜〜〜〜〜」 「わ〜もうダメっす・・・」 「ゴシュジントケルベロスドッチガカツカナ〜?」 「凄い力ね」 「凄いです〜」 もうすでに止める事をあきらめるカモに二人の力を感じえう翠星石と真紅、だがふと後ろの方からそれ以上の力が後ろからやってきた。 「ケロちゃん・・・・エヴァちゃん・・・・何やってるの・・・」 「「ギクッ!」」 「オッ・・・コレハココデオシマイダナ・・・」 「ふ〜助かったぜ〜」 現われた桜にケルベロスとエヴァは桜の声により固まり二人の力はみるみるうちに小さくなる。 「さ・・・桜これはだな・・・」 「そうや元々はモコやんがわいのたこ焼きをとってな・・・」 「二人とも正座!ケロちゃんは仮の姿に戻って!」 「「は・・・ハイィ!」」 桜に大声で言われると即座に返事をしながら正座する二人、しかもなおそのすぐ近くに居た真紅と翠星石は足ががくがくとなり桜が「元の部屋に戻っててね」・・・と言っても動けないでいる。 「元の部屋に戻れるかしら・・・」 「あ・・・足がすくんで歩けませんです〜」 「シッカリシロヨオレガハコンデッテヤッカラヨ」 「貴方は歩けるのね」 「マァナレテルカラナ・・・」 「オレッちはまだなれてねぇよ・・・」 そしてゼロに部屋まで引きづられていく真紅と翠星石、カモはゼロの頭の上に乗っかっている。 そしてゼロ達が去ったその後、桜の説教が10分ほど続き・・・ 「さて、宴会中だし今はこれぐらいにしておくからケロちゃんは下の部屋で静かにしていてね」 「「ほっ・・・やっと終わった・・・」」 やっと桜の説教から開放されてホッと一息息を吐くエヴァとケルベロス、そして桜は自分の部屋に戻る前に一つ事項を付け加えた。 「あ・・・もとの部屋に戻る前に、ケロちゃんエヴァちゃん・・・」 「「な・・・なんだ(や)・・・?」」 「今度喧嘩なんかしたら心と体入れ替わってもらうからね・・・」 桜はにっこりとした顔で言いながら『替』(チェンジ)のカードをチラッとケルベロスとエヴァに見せその瞬間二人は震えながら目を丸くする。 「「ひ・・・ヒィィィ〜〜〜〜!!!」」 そして二人は一緒になって桜にすがりながら直訴するように訴えかけた。 「そ・・・それだけは止めてくれそれだけは!・・・私はぬいぐるみなんかになりたくない!」 「わ・・・わいも小娘になるなんて絶対に嫌や!」 「それだったら喧嘩は今後一切絶対にダメだよ二人共」 桜の言葉を聞くとエヴァとケルベロスはそれぞれ相手の顔をチラッと見て肩を組んでにっこりと笑い出した。 「わ・・・わかったな〜小娘〜」 「わかったわぬいぐるみ、これからは仲良く行こうではないか!」 「「あはははははは〜〜〜〜〜!!!」」 かなり無理してそうな二人、そして部屋の仲からはこっそりその光景を真紅達が見ていた。 「うわ〜こりゃあ二人共かなり無理してるですね」 「もともと油と水みたいな関係だから当たり前ね」 「クケケケケ・・・コレジャアリョウホウトモイニカザアナアクンジャネェカ?(ドッカノボウジャングルニイルオヤコミタイニ)」 「そうかもな・・・(汗)」 <第三十一話終> 『ケロちゃんの次回予告コーナー』 「こにゃにゃちわ〜!」 「今回もケロちゃんのの次回予告コーナーがやってきたで〜!」 「さて今回のゲストは・・・」 「桜と同じ様な名前のラッキースター椎名桜子や〜〜〜!!!」 「おっはよ〜〜〜!!!」 「おはようさん、そんでなあ桜子知っとるか?」 「え・・・何を?」 「もうそろそろな、この小説始まってから一周年なるんや」 「そうなんだ〜 よく続いたね」 「そうやこの小説思ったよりかそこらへん長引くし、しかもこの小説初めは「10話ももたんな」・・・とか作者自身思っとったらしいで」 「まあ一周年なんかどうでも良いけどちゃんと初めの公言通り1・2週間に付き一話出せているからいいんじゃない?」 「ま・・・中には一ヶ月以上更新しなかった時期もあったけどな・・・」 「まあそんな事よりそろそろ次回予告やもう一万字をはるかに超えとるから作者自身の精神力が切れそうになっとる」 「と言う訳でさて次回のタイトルは・・・」 「『さくと宴とお風呂』だよ♪」 「宴の話もあるんやけど」 「宴の後桜は仲良くサクラやアスナ姉ちゃん達とお風呂に入る」 「そこへ気づかずに入ってきてしまった小僧達の運命やいかに〜!!!」 「が次回の見所だよ♪」 「まあわいからしてみれば別に混浴しってもいいやん・・・と思うねんけどな」 「ケロちゃんには性別がないからね〜」 「さてそろそろ今回の次回予告も終わりや」 「今回は終わるの早いね〜」 「仕方ないやん、本編が長すぎたんやから最長記録やで」 「本編だけで15000字位あらからね〜」 「それじゃあ皆も桜子も一緒に〜〜〜!!」 「ほなな〜」「私も真似てほなな〜」 <終> |