第三十九話『さくらとエヴァと愛衣』
「ったくようやく桜と仮契約ができると思っていたのに、あの下等生物が・・・事もあろうに私の桜の唇を・・・」 前回の後場所は戻ってエヴァ宅、エヴァはいまだに桜との仮契約を出来なかった事へ愚痴をこぼしていた。 「しょうがねえんじゃねぇかエヴァンジェリンよう、これも運命だと思って受け入れたらどうだ?」 前回なぜ桜と謎のシスターが仮契約できたのかと言うと、カモはなにか起こるんじゃないかと先を読み桜は誰とキスしても仮契約できるようにと魔方陣に仕組んでおいたからである。 だがそんな事はエヴァは気づいていなく、カモはバレる前に必死に話をそらそうとしている。 「何を言う小動物が、私はいつか絶対桜と仮契約するぞ」 「ほぇ!・・・もう嫌だよエヴァちゃん〜」 それでもいつかは桜と仮契約をと考えているエヴァ、桜もすでに2回もキスしてしまっているのでもう嫌々状態となっている。 「そういやネギ坊主もう帰っとんのに何でカモッちがおるんや?」 「いや・・・ちょっと桜嬢ちゃんの仮契約カードの能力が知りたくてよ」 「あ・・・そうだな桜、折角だからアイテム出してみてはどうだ?」 「サクラノコトダカラレアナアイテムカモシレネェゼ」 「え・・・あそう言えばそうだね、うん『アデアット!』」 突如話題も変わり桜の仮契約カードの能力の話、桜が呪文を唱えると桜の持っている鍵と似ている鍵みたいなものが桜の前に現れ桜はキャッチし、同時に説明書みたいな紙も現れた。 「鍵・・・と説明書か?」 「なんや『封印の鍵』みたいやな?」 「呼んでみましょうか?」 すると茶々丸は紙を読み始めた。 「このアーティファクトの効果は二つあります。まず一つ鍵を持って封印と唱えながら右回しに回してください」 「封印!」 イキナリ呪文を唱えながら何も無いところで鍵を持ち右回しに回しながら呪文を唱える桜、だが鍵が杖になるどころか何にも起こらなかった。 「・・・おい・・・何も起こらんぞどうなってるんだ茶々丸?」 「いいえ・・・私の体が動かなくなりました・・・」 「オレノカラダモダ・・・」 「あれっ?・・・わいもなぜか飛ばれへん!?」 起こらないと思っていたら茶々丸とゼロの体が動かなくなりケロちゃんは飛ばれなくなってしまったこの事態、エヴァはあたりを見回しながらどうなったのか考え出した。 「どうなっているんだ・・・って私も魔力が使えん出は無いか!」 「ほぇぇ・・・どうなってるの?」 今気づいたのだが、エヴァまで魔法が使えなくなってしまっていると気づき桜が混乱し始めている。 すると知世が床に落ちた紙を拾い茶々丸の続きを読んだ。 「はあはあ・・・こういう事ですね。桜ちゃん、桜ちゃんのアーティファクトは『戦いの封印の鍵』と言うアーティファクトで、使うと桜ちゃんの周囲半径一キロ以内のすべての者が魔力・あるいは気などをほとんど使えなくなると書いてありますわ」 「・・・桜らしいアーティファクトだな・・・」 「すげー能力だな!(でも使い道あんのか!?)」 知世が紙を読む事によって判明した桜のアーティファクトの能力、こんな能力桜にとってはまったく使い道が無いように思える。 「それよりも知世ちゃん、どうやってこれ解くの?」 「大丈夫ですわ、この紙には3分で効果が切れると載ってますし、左回しで封印解除で効果がなくなるとも書いてあります」 「そ・・・そうなんだ・・・」 知世に聞くとすぐに言われたとおり魔力または気の封印を解く桜、すると茶々丸とゼロはまた動けるようになりゼロはぐったりし始めた。 「・・・ヒドイメアッタナ」 「体が動かなくなりましたからね」 ゼロはエヴァの魔力で稼動し、茶々丸は間接部分に魔力を少々使われている。 であるから動かなくなったのだが、止まるのは人形でもロボットでもキツイようだ。 「これで一つ目の能力が分かった、あと一つはなんて書いてある?」 「・・・それが、何も書いてありませんの」 「書いてないだと?」 「どう言う事だ知世嬢ちゃん?」 「それが・・・」 知世がもう一つの能力について何も書いてないというと、紙を覗き込むエヴァとカモ、すると『後一つは自分で見つけてね♪』・・・と書かれていた。 「なめとんのかこの説明書は!?」 「まあまあエヴァちゃん」 勢いあまって紙を下に叩きつけるエヴァ、後ろからはそんなエヴァを桜があやしている。 「所でもう遅いですし桜さん達も一緒に夕食を食べていきませんか?」 「え・・・良いんですか茶々丸さん?」 「茶々丸はもう桜達の分を作ってきいるんだから別にいだろ、そうだ桜、今日はこのまま泊まっていけ」 「そうだね、もうこんな時間だし・・・」 「そうか、なら俺っちはそろそろ帰るか・・・」 こうして今日エヴァ宅に泊まる事となった桜、時間になると今日の夕飯は茶々丸の作ったカレーで、知世&エヴァ(ついでにケロちゃん♪)と共においしく夕食をとっていた。 「茶々丸さんの作ったこのカレーすっごくおいし〜よ」 「そうですか、おかわりはいくらでもありますのでいっぱい食べてください」 「茶々丸姉ちゃんおかわり〜!」 「はい」 「貴様は遠慮くらいしろったく一体食べたものはどこへいってるんだ?」 桜はおいしそうに茶々丸特性のカレーを召し上がりケロちゃんはまったく遠慮するそぶりを見せずにガツガツと何皿もカレーを食べている。 (桜ちゃ〜ん!) (ほ・・・ほぇ、美空ちゃん?) そしてふと桜に入った仮契約カードを使ったみ・・・謎のシスターからの念話、するとそこへエヴァがその二人の念話に割って入った。 (何だ桜、早速美空から念話か?) (あれ・・・エヴァちゃん念話とか言うの使えるの?) (当たり前だ、念話は基本中の基本だからな) (そうなんだ、・・・でどうしたの美空ちゃん?) エヴァが念話を使えるのは当たり前の事、それに納得した桜は謎のシスターに本題を聞いた。 (麻帆良学園にまた侵入者が出たみたいっすよ) (そうか、そう言えばさっきから侵入者が麻帆良学園内に入ってきてたな) (ってエヴァちゃん気づいてるなら早く出動しろっての!) (私はもう桜に呪いを解かれた身だからな、そんな事私の知ったことではない) (でもダメだよエヴァちゃん、うんすぐエヴァちゃんと行くから美空ちゃん場所を教えて?) (私も行くのか?) (そうだよ) 桜は強引にエヴァも出動するように言うと桜の言うことならとエヴァもしぶしぶ首を立てに振る。 (じゃあ場所を言うっすよ、場所は・・・) そして侵入者の出現場所を良い始めた謎のシスター、聞いてみたら場所はエヴァ宅の近くにある麻帆良学園内の森の中だった。 「ほぇ〜また森の中・・・怖いよ〜」 「やからなんで桜は怖がるんや?」 「だって怖いものは怖いんだも〜ん」 「おい、侵入者をとっとと探して殺して帰るぞ!」 「ケケケ・・・ミジンギリニシテヤル・・・」 「桜ちゃん可愛らしいですわ〜」 またもや怖いなどと抜かして怖がっている桜、いつまでたっても桜のこの癖は直らないものだ。 「・・・で桜、なぜこんな森の中でそんな変な格好をしてるんだ?・・・ネズミか?」 「エヴァちゃん、これはいつもの事だからツッコまないで・・・」 「今回はネズミをモチーフにした衣装ですから」 今回桜が着ているコスチュームはネズミをモチーフにした衣装で、頭にはネズミの●ッキーマ●スのような耳を備え付けお尻にはくるりんと丸まった尻尾を備え付けている。 だがそんな事より怖がりながら森の中を進む桜、すると桜は愛衣&高音とバッタリはち合わせした。 「あ・・・愛衣ちゃん」 「桜ちゃん・・・」 「愛衣ちゃん達も呼ばれて着たの?」 「うん、でもこの前はごめんなさい、私桜ちゃんの魔力に吃驚しちゃって」 「べ・・・別に良いんよ愛衣ちゃん、私こそ愛衣ちゃんを驚かせちゃってごめんね」 「桜、知り合いか?」 そう言えばエヴァは会った事が無い様で二人の事を聞くエヴァ・・・ 「うん、この前知り合った佐倉愛衣ちゃん、後ろにいるのはウルスラの高音・D・グッドマンさん、二人とも魔法使いなんだって」 「そうか、ならせいぜい桜と私の足を引っ張るような真似はするなよ」 「なんですかあなた、イキナリしゃしゃり出てきてその言葉は!」 「そう言えばこの子誰なの桜ちゃん?」 そのとげのあるエヴァの言葉に高音だったが、やはりエヴァの事を二人は聞いてきた。 「あ・・・紹介するね、私と同じクラスのエヴァンジェリンちゃん。エヴァちゃんも魔法使いだから気にしなくて良いよ」 「「エヴァンジェリン・・・・・・・・・・・・ええ〜〜〜!!!」」 「なんや二人共うっさいな〜」 「ヨワイイヌホドヨクホエルゼ」 エヴァを紹介された瞬間に雄たけびなような声で驚く愛衣と高音、すると愛衣が少し大きな声で桜に話しかけた。 「さ・・・桜ちゃん、それ本当なの、エヴァンジェリンと言ったら魔法界では極悪非道『闇の福音』とも言われた吸血鬼の真祖じゃない!」 「そうですわよ、こんな小さな子が元懸賞金1000万ドルなわけ無いですわよね!」 「え・・・エヴァちゃん、今まで一体どんな悪さしてきたの?」 「まあ・・・色々な」 魔法界では齢数百年を生きる極悪非道の吸血鬼とされているエヴァ、桜に聞かれてもエヴァはなんの悪びれも無く桜の問いに答える。 「しかし、桜の言っていた事は本当だ私が『吸血鬼の真祖』エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルだ」 「ほ・・・本当に本当桜ちゃん」 「どうですの木之本さん」 「ほ・・・本当なの」 二人は再度桜に尋ねると首をゆっくり下に振りながら答える桜、すると二人も桜の言葉を信じた。 「で・・・でもイメージしていた姿とはかけ離れてますね、私のイメージは口から吸った人間の血を流したグラマーな女性だったのですが」 「私もそう聞いてましたよ・・・」 「それってエヴァちゃんが幻術で見せていた幻なんじゃ・・・」 愛衣と高音の頭の中には口から飲んだ人間の血を流した大人バージョンのエヴァの姿が浮かび上がる。 「そう言えばエヴァンジェリンさんは情報によると掛けられた呪いを解かれてもう自由になったと聞きましたがなぜこんな学園に留まってるんですか?」 「そうですわね、これが噂どおりならもうこの学園から去っていてもおかしくないのですが」 「そうだな、始めは呪いが解けたらすぐにこの学園から出て行くつもりだったが、理由としては桜の親友となり、知世に学園に留まるようにと言われたのがまだこの学園にいる理由だな」 前までのエヴァなら話さないのだが今では普通に話してくれるエヴァ、桜と付き合うようになってからエヴァも大体頭が柔らかくなってきている。 「・・・桜ちゃん本当に誰とでも友達になるね・・・と言うより呪いを解いたの桜ちゃんだったんだ」 「非常識ですわ・・・」 「え?」 だが今回初めて会った愛衣と高音は元からのエヴァの性格を知らないので桜を呆れた目で見る。 「そんな事より桜、怪物が来た様だぞ」 そして今回出てきたモンスター、姿は言って見ればポケ●ンのバン●ラスの様な体長5m位ありそうな怪獣、見た瞬間から前に倒したベト●トンの様なヘドロ状のモンスターより強いと言うことが分かる。 「今回は少々レベルの高い敵のようですわね、愛衣これは私達の手に負えるような者じゃないわ神多羅木先生にご連絡を!」 「分かりましたお姉様!」 「おいおいちょいまち〜な、こんなんわいらだけで十分やないけ」 「そうだな、とっとと終わらせて帰るぞ桜」 「え・・・あ・・・うん」 敵が目の前と言うのに大口叩きまくるエヴァとケロちゃん、だが二人のこの言葉は10秒と言う短い時間で証明される事となった。 「非常識ですわ・非常識ですわ・・・」 「お姉様しっかり!」 高音と愛衣の目の前には丸焦げにされしかもなお凍り付けにされたバ●ギ●スのような怪獣の姿、あまりの出来事に高音ももうふらふら状態だ。 「ふん、肩慣らしにもならんな」 「ケケケ・・・ナンカイジメミテーダナコレ」 これをモンスターも不幸でいじめなんじゃと言いたい位の酷さ、エヴァも肩慣らしにもならないと言っている。 「ま・・・高音姉ちゃんと愛衣が驚くのは無理ないな、なんせわい等はそれほどかけ離れてめっちゃ強いんやからな」 「ケロちゃん今回何もしてないでしょ」 「桜ちゃんの勇士取れましたが・・・10秒ではいささか短すぎますわ」 「仕方がありません、マスターと桜さんのコンビはこの麻帆良学園最強ですから」 今回ケロちゃんは何もしておらず知世はあまりにも短い桜の勇士に落ち込んでいる。 すると林の向こうから二人の魔法先生が現れた。 「おいおい・・・もう終わってるじゃね〜か」 「やあ木之本さん、また木之本さんがやっつけたの?(ほんの20秒位でたどり着いたのに・・・)」 愛衣からの報告からほんの20秒程度で着いたのだが、瀬流彦と神多羅木は桜とエヴァのおかげでまったく見せ場がなくなってしまった様だ。 「うわっエヴァンジェリンさん!」 「なんだ人を見るなりその驚きようは?」 「『闇の福音』か、これは俺達に見せ場がないのは当たり前だな」 「ほう、貴様は私を見ても驚かんのだな」 瀬流彦は一歩引いているのだが『闇の福音』のエヴァを前にして一歩も引ずどっしりと構えているハードボイルド先生の神多羅木、顔に掛けているサングラスがかなりにあっている。 「そうだな、今の所我々の味方だ、驚く理由がどこにある?」 「言っておくが私は貴様らの味方ではない、桜の味方だ」 「ならそれも同じ事、木之本桜の味方=我々の味方だからな」 エヴァと二・三度話をすると桜の方へ歩みをよってくる神多羅木、すると神多羅木はふっと笑いながら桜に話しかけた。 「しかし強いものだな、異世界の魔法使いと言うものは」 「強いですよ〜木之本さんは、なんせAAA+クラスですから」 「学園長クラスか・・・これは絶対に敵に回したくないものだな」 「え・・・(///)」 ―――と言いつつ桜の頭をくしゃくしゃと撫でる神多羅木、桜もそれに顔を赤らめるが桜の頭をなで終わると神多羅木は瀬流彦先生と共に去っていった。 「なんやハードボイルドなおっちゃんやったな〜」 「そうですわね、まるで昔の警察ドラマの人見たいでしたわ」 去った後で神多羅木先生の感想を述べる知世とケロちゃん、所で去った後の神多羅木達は・・・ 「ふ・・・サインもらっとけばよかったかな瀬流彦?」 「木之本さんのファンならそう言えば良かったのに」 「いや・・・いざ前に出るとカッコつけたくなってな、木之本桜の頭を撫でるのが精一杯だった」 「ハードボイルドな性格ぶち壊しだよ・・・」 「今日はもう手を洗わないぞ」 「はいはい・・・(汗)」 ・・・実は言うと桜ちゃんファンな神多羅木先生であった♪ 「しかし、神多羅木先生いつから木之本さんのファンなんですか?・・・今日が初対面な筈ですが」 「そうだな、あれは瀬流彦が京都に行ってリョウメンスクノカミとの戦いのビデオを京都の呪術協会から送られてきた時の事だったな」 「撮ってたんですかあれ?」 「どう撮ったかは知らんが呪術協会は大道寺知世が撮ったビデオのダビングと言っていたな」 「大道寺さんですか・・・」 知世がスクノカミとの対戦中せっせと撮っていたビデオ、そのダビングのビデオが巡りに巡って神多羅木の手に渡ったらしく、神多羅木もそれを見ていたようだ。 「まあそれはどうでも良い、そのビデオを見て、そのビデオに写る木之本桜を見て俺はこう感じた・・・『女神の後輪』だ!・・・と」 「はいはい・・・(汗)」 拳を強く握り締めながら力強く断言する神多羅木、そんな神多羅木を見て汗を流している瀬流彦であったが、当の桜本人はと言うと・・・ 「ほぇっ!」 「どうしたんですか桜ちゃん?」 「な・・・なぜか悪寒が・・・」 「まだ五月だからな、桜風邪には気をつけろよ」 「うん」 妙な悪寒に襲われていた。 そして桜達が森の中を歩きながら帰っている最中――― 「それにしても桜ちゃんって、ケロちゃんみたいな強い従者と魔法界では『闇の福音』と恐れられるエヴァンジェリンさんを引き連れて本当は凄い子なんだね」 「凄いだなんて愛衣ちゃん、ケロちゃんとエヴァちゃんは友達だよ」 「よおわかっとるやないか愛衣、わいはめっちゃ強いしカッコいいんや、あ・・・それと桜にはもう一人ユエがおるからな」 「ユエ・・・・?」 桜は愛衣の言葉に謙遜するがケロちゃんは自分を自画自賛する。 するとその時ケロちゃんから出てきたユエの話、愛衣はユエの存在を知らなかったので首をかしげる。 「近頃この小説に出てきてないがな」 「エヴァちゃん、それ問題発言だよ・・・」 「まあ愛衣と高音姉ちゃんに分かりやすく言うとな、ユエはわいと同じサクラカードの守護者なんや、いつもは雪兎(ゆきうさぎ)の兄ちゃんになっとるけどな」 「だからケロちゃん、雪兎(ゆきと)さんって言ってるでしょゆ・き・と・さ・ん!」 「まあええやないか、わいの頭の中ではもうゆきうさぎなんやから」 いつまでたっても抜けないケロちゃんの雪兎に対する呼び方、毎回桜も訂正させるように言っているのだがこれだけはなおらない。 「あ・・・あの〜桜ちゃん、さっきから言っている雪兎さんと言うのはまさか・・・」 「はい、私達3−Aの副担任月城雪兎先生ですわ」 すると愛衣に質問され知世はごく普通に答える。その瞬間今までで一番大きな声が森の中に響きわたった。 「ええ〜〜〜〜!!!」 「え・・・何愛衣ちゃん?」 「なんですか愛衣、イキナリそんな大声をだして」 「今までで一番の最大ボリュームやな〜」 あまりの愛衣の大きな声にケロちゃんも耳を塞ぐ、愛衣も麻帆良学園中等部の生徒であるが為雪兎と言う人物を知っているようであった。 「え・え・え・でも月城先生は魔法先生だと言う情報はありませんし、あんなカッコいい月城先生が人間じゃないなんて」 雪兎が人間ではない事にうろたえる愛衣、するとケロちゃんがユエの簡単な説明をした。 「ああ・・・ユエは雪兎の兄ちゃんの時は性格も記憶もちゃうからな、やから雪兎の兄ちゃんは魔法の事はまったく知らん」 「そ・・・そうですか・・・い、今までで一番驚きました、月城先生といえば今中等部・ウルスラひっくるめて一番彼氏にしたい先生No.1なのに(ちなみに弟にしたい先生No1はネギ先生ですが)」 「へ〜そうなんだ、それよりもネギ君だけなんじゃ年下なの・・・」 「さすが月城さんですわね、さすがは桜ちゃんの初恋のお相手の事だけはありますわ」 カードキャプターさくらファンな人達にとっては常識であるが実は雪兎が初恋相手な桜、知世のその言葉にエヴァと愛衣が反応した。 「ん・・・そうなのか桜?」 「そうなの桜ちゃん?」 「そ・・・そうなんだ、でも今は小狼君が私の一番なんだけど・・・(///)」 だが今では小狼が一番だと言う桜、それを言うだけで桜は顔を赤らめてしまっている。 「あ・・・あれ〜桜ちゃんって聞いた事無かったけど彼氏いるの〜」 「いや、彼氏と言うわけじゃないんだけど・・・(///)」 「でもお二人共双方好き合っていらっしゃいますわよね」 「へ〜そうなんだ〜それじゃあもう付き合ってると言われても仕方が無いな〜」 「(///)」 桜と話している間にももうすでに親父と化してしまっている愛衣、もうすでに桜の顔はまっかっかとなっている。 「でもそう言えば月城先生魔法の事知らないんでしょ?」 「うん、そうだけど」 「それだったらなおさらなんだけど、月城先生が女の人と付き合っているなんて事聞いた事ないな・・・」 普通にしていても雪兎は女性に持てる性格の良いイケメン兄ちゃん、愛衣にとってはそんな人に浮いた話が無いと言うのは不思議でふと疑問に過ぎる。 「まあそれは仕方ありませんわ、月城さんの一番は桜ちゃんのお兄様なんですから」 「えっピシッ!」 ―――知世、核爆弾級の爆弾発言・・・・ 「・・・と・・・知世ちゃん・・・今何を・・・」 「もう一度・・・お願いしますわ・・・」 愛衣と高音は二人とも知世の爆弾発言に石化しながらもう一度知世にたずねる。 「いや、ですから月城さんの一番大好きな人は桜ちゃんのお兄様ですわ」 「そ・・・それ本当桜ちゃん?」 「え・・・そうだけどどうしたの愛衣ちゃん?」 「桜・知世・二人共自分の爆弾発言に気づいてないのか?」 「ケケケ・・・ホモカBLカ?」 自分達のかなりの爆弾発言にまったく気がついてない桜と知世(はどうか分からんが)、その瞬間愛衣は奈落の底へと叩き落とされた。 「そ・・・そんなあんなカッコいい月城先生があっちの世界の人だったなんて・・・バタリ・・・」 「ほぇ〜愛衣ちゃんどうしたの〜!!!」 「わ・・・私は気絶しませんわよ・・・」 高音は雪兎と言う人物をあまり知らない為か石化程度で収まったが愛衣はその石化がぶっ壊れる程のショックを受けてしまい気絶してしまう。 「でもな〜雪兎の兄ちゃんもわいと同じで性別なんて無いからな〜」 「ケルベロスさん、そんな事より見た目が大事なのではないでしょうか?」 「そうだな、これは口が裂けても他のクラス連中に話せんな」 「つ・・・月城先生が〜・・・・」 「だから一体どうしたのなにかあったの愛衣ちゃん!?」 「ダカラジブンタチノバクダンハツゲンキヅケヤ」 口が裂けてもこんな事3−Aのクラス連中には言えない事実、この後、愛衣が一週間腐●子の道を突き進んだのは言うまでもなかった。 <第三十九話終> 『むつき&ことりによる次回予告コーナー』 「おはようございます、ネギま!★LESSONヒロインの一文字むつきです」 「こんにちわっす、ネギま!シーズンヒロインの白河ことりです」 「さてイキナリですがむつきさん、どうでしたか今回の『魔術×魔法』?」 「そうですね、私の息子のネギさんの登場がまったくありませんでしたね」 「うんうん、私の弟みたいなネギ君の登場はまったくなかったですね」 「それにしても私達の作品・・・全然更新されませんね・・・」 「そうですね、この前更新されたものでも作者さんの妄想の塊ですし一体いつになったら最新話更新されるんでしょうね」 「・・・と言いつつほらむつきさん、今でも作者さんネギランの続きを書いてますよ!」 「そうですね、私達に日の光がいつになったら来るのでしょうか?」 「まあこれは待つしかありませんね、作者さんは本当に気まぐれですから・・・」 「そうですね・・・」 「・・・と言う訳で次回予告にいきまっす」 「次回の題名は『さくらの麻帆良学園での一日』となります」 「話の内容は言わなくても分かるような気がしますが」 「内容は、木之本桜さんの麻帆良学園での一日に密着します」 「作者さんが(今の所できれば)可愛い桜ちゃんの一人称に挑戦しようとしているみたいなので皆さんお待ちくださいね」 「それではそろそろ時間もなくなってきましたのでことりさん次回司会者の紹介を・・・」 「はい、次回の司会者はえっと・・・和泉亜子ちゃんと桜ちゃんのお兄さん木之本桃矢さんです」 「・・・酷な人物設定をしますねこの作者さんは・・・」 「亜子ちゃん上がらなきゃいいけど・・・」 「それではそろそろおしまいですので最後の挨拶へと行きたいと思います」 「それではむつきさんいきましょう」 「さよおなら」「さいならっす」 <終> |