第四十一話『さくらと暴走まき絵ちゃん』
「ネギく〜んあ〜んして〜」 「え・・・あ・・・はい」 「一体全体本当にどうしたのまきちゃん?」 まき絵ちゃんはなぜかネギ君達の部屋にいて一緒にネギ君達と夕食をとっていてまき絵ちゃんはネギ君べったりになっている。 「うう・・・ごめんなさいアスナさん・・・私もまき絵ちゃんがこうなるなんて思わなかったんです・・・」 「ほんまやな〜桜ちゃん一体まき絵に何言うてこんな風になったん?」 「そうなの・・・まきちゃんいつになく暴走しちゃって・・・」 かく言う私や知世ちゃん、亜子ちゃんもそのままアスナさん達の部屋に成り行きで一緒に夕食をとってます。 亜子ちゃんもまき絵ちゃんをいくらか説得してくれたんだけど今のまき絵ちゃんには焼け石に水でまったく効果はなかった。 「ネギ君、ほら今度はお肉だよ〜熱いから気を付けてね〜」 「あの・・・まき絵さん、僕ちゃんと一人で食べられますので・・・」 「ダメ〜!ネギ君は私の手で食べるの勝手に食べちゃダメ〜!」 「あ・・・はい・・・」 うわ〜ネギ君めちゃくちゃ困ってるし・・・ごめんなさいネギ君、私がまき絵ちゃん追いかけたりしなかったらこうならなかったのに・・・せめてのどかちゃん・・・今この部屋にのどかちゃんが来ない事だけを祈ります。(ついでにあやかもな) 「それにしてもな〜ほんまにどないするん今のまき絵何言うても聞かへんで?」 「そうなんだよね〜さっきから一心不乱にネギの世話をしているみたいだけど・・・あれじゃあ介護しているみたいだわ」 「ほぇぇ・・・本当にごめんなさい・・・」 「そんな桜ちゃんのせいやあらへんよ、そんな事より皆でまきちゃんをどうやって説得するか考えらな〜」 「そうですわね」 本当にそうだね、今にもまき絵ちゃん何かしでかしそうな顔つきになっちゃってるし早くここは手を打たないと大変な事になっちゃう・・・ 「ネギく〜ん、ちょっと汗臭いよ〜今日は一緒にお風呂入ろ〜!」 「わ・・・わわわ良いですよまき絵さん、僕は一人でこの部屋のシャワーを使いますから!」 「だったらこの部屋のシャワーで私が頭洗ってあげるから一緒に入ろ〜ネギ君」 「うわ〜ん、アスナさん桜さん助けてくださ〜い!」 ほぇ〜言ってるそばからイキナリまき絵ちゃん暴走し始めちゃったよ〜ネギ君もそうとう困ってるしなんとかしないとなんとか・・・ 「まきちゃん、さすがに一緒にお風呂に入るのはダメよ」 「ええ〜どうして別に良いじゃん明日菜のケチ〜!」 「ケチじゃなくてダメなものはダメなの、ほらいい加減ネギを離しなさいよね」 ああ・・・アスナさんがんばってまき絵ちゃんを止めてください、私じゃまき絵ちゃんを抑えられそうにありません。 「なあちょっと桜ちゃん?」 「なあに亜子ちゃん?」 アスナさんがまき絵ちゃんを止めている間に亜子ちゃんが私の服の袖を引っ張って部屋の外へと誘導する。 それに知世ちゃん木乃香さんも着いてきた。 「桜ちゃん、ほんまにどないする?・・・まき絵ああなったらなかなか元に戻らんで、ほんまなにがあったん?」 「ほんまやな〜こんなんほっといたらネギ君まきちゃんになにされるかわからんぇ」 「うん、それなんだけど・・・」 私は木乃香さんと亜子ちゃんに聞かれまき絵ちゃんが暴走しだすまでの経緯を説明する。 「か・・・彼氏なあ・・・・ウチも彼氏なんておらんわ・・・」 「やからまきちゃんネギ君にあんなに・・・あれじゃあ彼氏やなくてただの世話好きなだけやん」 「そうなんですよ〜しかもこんな所のどかちゃんに見られたら〜」 「それだけやあらへんよ、まきちゃん以上にいいんちょなんかに知られたら戦場になんで」 「え?」 あれ・・・ど・・・どうしてここで委員長さんの名前が出てくるのかな? 「あの・・・木乃香さん、なぜそこで委員長さんが出てくるんですか?」 「あれ・・・桜ちゃん知らへんの鈍いな〜激鈍や〜もうクラス全員知ってるで、委員長もネギ君の事大好きやねんで〜しかもちょっとやそっとやあらへん、まるで某魔王に心の底まで忠誠誓ってる魔王のイケメン補佐役位いいんちょはネギ君の事好きなんや〜」 「へ・・・?」 「木乃香そんなたとえ桜ちゃんには分からんて、しかもあれBLやん!(ギュ●ター!?)」 「まあ・・・とにかくいいんちょはネギ君がめっちゃ好きやと言う事や」 「え・・・ええ〜〜〜!!!そうだったの〜〜〜!!!」 は・・・初めて聞いたよそんな事、たしかに委員長さんは日頃からネギ君の手を取ったり抱きついたりいろんな事してたけどあの行動って・・・そんな所から来てたんだ・・・ (おいおい・・・普通誰でも気づくだろそりゃあ・・・) (あ・・・カモ君、今話しかけてきちゃダメじゃない、今目の前に亜子ちゃんがいるのに・・・) (だってよ〜さっきからまき絵嬢ちゃんが姐さんに一歩も引かずにいるからよ〜) 「桜ちゃん何しとん・・・はよ対策考えな委員長がこっち着てもたらほんま大変やで」 「あ・・・うんそうだね・・・」 本当に吃驚したけどこれが本当だったら本当に早くまき絵ちゃんをどうにかしないとダメだね、もし二人にまき絵ちゃんの暴走知られたら三角関係どころか四角関係だもんね・・・ 「・・・でどないするん、今のまき絵何を言うても聞かへんと思うし・・・」 「そうやな〜桜ちゃん・・・カード使って何とかならへん?」 「カード?」 (木乃香さんダメダメです今は亜子ちゃんがいるから!) 「ああ〜そうやったそうやっためんごめんごや〜・・・」 「異様に古いですわね木乃香さん・・・」 ふぅ〜木乃香さんも早く魔法に慣れてくれないと、この世界の住人でない私は別に良いんだけど私がバレるとネギ君までバレる可能性があるからな〜 「あの桜ちゃん」 「ほぇ・・・なに知世ちゃん?」 「なんや知世ちゃんなんか策おもいついたん?」 「いえ・・・それほどではないのですが、私まき絵さんは本当の意味でネギ先生を好きと言う風に見えないのです」 「本当の意味での好き・・・え・・・それどういう事なの知世ちゃん?」 「はい、今のまき絵さんは彼氏にしたいとかそう言う好きではなく、ネギ先生に対する感情は可愛らしい子犬が好きだと言うそう言う類の好き、私の見る限りではそういう風に見えるのです」 「そ・・・そんな事分かるの知世ちゃん?」 「はい・・・」 わ〜さすが知世ちゃん、エリオル君も知世ちゃんは洞察力に優れているとか言っていたけど本当に知世ちゃんは凄いね。 「・・・でもそんな事分かって、今の状況どうするん?」 「それはさっぱりですわ・・・ほほほ・・・」 「と・・・知世ちゃん、それじゃあ意味がないよ・・・」 う〜ん・・・本当にどうしたらまき絵ちゃんを説得する事ができるのかな、まき絵ちゃんは自分自身で子供っぽいと思っちゃってるから今の行動に出ている・・・けどどうしたらまき絵ちゃんの考えを改めさせる事ができるのかな〜? 「桜ちゃん、この場だけでもおとなしくさせる方法がありますわ」 「え?・・・なになに知世ちゃん?」 「なんやなんかおもいついたん?」 「それでは少しお待ちくださいませ」 知世ちゃんはそう言うと携帯を取り出してこそこそと誰かの所へかけている。 そして知世ちゃんは電話が終わるとすぐ私に小さな声で話しかけてきた。 (桜ちゃん・・・学園長さんとの話は終わりましたわ、カードさん達を使ってもOKらしいですわ) (え・・・知世ちゃん学園長さんに電話かけてたの、それよりも本当に魔法つかっちゃってもいいの?) (はい・・・ですが後の記憶処理はちゃんと行うように・・・という事ですわ) ほぇ〜知世ちゃんよく学園長さんの了解を得る事ができたね、・・・というよりいつの間に学園長さん所の電話番号なんかを・・・それよりも知世ちゃん魔法を使えるようにして一体何を考えてるんだろう・・・ 「それでは桜ちゃんちょっとネギ先生を連れてきますので『鏡』(ミラー)さんのご用意を・・・」 「え・・・あ・・・うん」 「あ・・・桜ちゃんミラーちゃん使うん?・・・ええのそんな事して?」 「はい、知世ちゃんが学園長さんの許可を取ったらしいので」 「ミラー?」 す るとどうやって口論している二人の間からネギ君を連れてくるのか分からないけど知世ちゃんは部屋の中へ入っていく、そしてその間に私が杖の封印を解除して おくんだけど・・・先に亜子ちゃんに魔法の事を話してからの方が良いかな・・・ううん、話がややこしくなっちゃうしどうせ記憶も消しちゃうからこのまま封 印を解除しておこう。 「なあ・・・桜ちゃんミラーってなんなん?」 「星の力を秘めし鍵よ 真の姿を我の前に示せ 契約の本桜が命じる・・・」 「え・・・なにしとんさくらちゃ「レリーズ!」・・・な!?」 何も話さずに星の鍵の封印解除する私、亜子ちゃんゴメン本当に驚いちゃってるね。 「ななな・・・なんなん桜ちゃん・・・その杖は・・・ピカーって・・・ピカーって光って突然出てきて・・・」 「桜ちゃんネギ先生お連れしましたわ、・・・ですがもって数十秒でしょう早く『鏡』(ミラー)さんをネギ先生にお願いします」 「え・・・ミラーさんを?・・・亜子さんがいるんですけど」 「あ・・・うん「え・・・あのちょっと?」」 どの様にして連れてきたのか分からないけど本当にネギ先生を連れてきた知世ちゃん、話をする時間も無いから私は早速『鏡』(ミラー)さんのカードをネギ君に対して使った。 「(省略)ミラー!」 「ちょっと桜さん!?」 「な・・・なんやねんななんやねんな・・・突然鏡が現れてネギ先生が二人に!?」 やっぱり少しだけでも話をしてからの方が良かったのかな、ネギ君も亜子さんも驚いている理由が違うけど二人とも驚いちゃってるし、特に亜子ちゃんの方は今にも高速でギターのはやびき出来そうな位震えてるよ。 「さて、それではこのミラーさんのネギ先生を向こうへ連れて行きまして・・・」 「あの・・・その前に亜子さんが桜さんの魔法見ちゃってたんですが・・・」 「こ・・・これは夢なん?・・・幻影なん?・・・妄想なん?・・・電波なん?・・・」 「あ はい、それは後でお話しますので今は黙っておいてくださいな」 「はい」 知世ちゃんはネギ先生の姿になったミラーさんを連れて部屋の中へと入っていく、私も何をするのかなと見に行ってみた。 「終わりましたわ、まき絵さんご存分にネギ先生とお風呂お願いしますわ」 「え・・・良いのやった〜!」 「と知世ちゃん、だからダメだって言ってるじゃ(アスナさん・・・ミラーさんですわミラーさん)・・・え ミラー?」 「はい・・・そうですわ」 知世ちゃんがアスナさんの耳際で何かを言うとアスナさんはおとなしくなり、何も知らないまき絵ちゃんはネギ君の姿をしたミラーさんと木乃香さん達の部屋のお風呂場へと入っていく。 そ して事が終わるとまき絵ちゃんがミラーさんとお風呂入っている間に全て(この世界の魔法の事を除いて)をうまく説明する私達、―――と言うより殆どが知世 ちゃんの説明だけど、この世界の魔法の事を話さないのももしも・・・と言う事があった時の保険だと知世ちゃんの考えみたい、そうだよねもし私が亜子ちゃん の記憶消去の失敗した時やその他のことがあった時亜子ちゃんにこの世界の魔法の事知られてたらダメだもんね。 説明も終わると初めから魔法の事を知っている明日菜さんもネギ君も納得して、魔法を知らなかった亜子ちゃんは・・・ 「え〜っと話は聞いたけど・・・桜ちゃんと知世ちゃんがこの世界の住人やないってほんまにほんまなん?―――と言うよりウチにそんなことバラしてよかったん?」 「はい、ですがご安心ください事が終わればまた桜ちゃんの魔法で魔法の事全てを忘れる事も可能ですから」 「そうなんか、でもウチほんまに信じられへんな〜桜ちゃんが魔法使いやなんて・・・」 「魔法使いや無い・・・言ってしまえば桜は魔術師の部類に入るで亜子っち」 「うわっ!・・・なんなんこのぬいぐるみは桜ちゃん!?」 「失礼なやっちゃな〜わいは封印の獣ケルベロスや、それよりもあんさんも関西弁やな、まき絵が普通に戻るまでのちょっと短い間やけどよろしゅーな」 「・・・電池どこや電池〜」 亜子ちゃんはケロちゃんのどこかに電池が入ってないか疑り電池を探しちゃってる。 でも電池が入ってるわけも無いので私の予想通りケロちゃんは怒り出しちゃった。 「コラーそんな古いボケすんなや亜子っち、それでも関西人なんかいな」 「そんな事言われてもな〜異世界や魔法やなんて言われてもウチにはさっぱりやし・・・」 「なんなんやったら元の姿に戻ったろか・・・わいの真の姿はめっちゃカッコええで〜」 「え・・・この姿が本当の姿とちゃうん!?」 「そりゃあそうやがな、あ・・・そういやまき絵にも真の姿見せた事あったな、わいの真の姿はまあ言ってしまえばライオン・・・みたいなもんやからな」 「ほんまか、そういやまき絵が前に図書館島行った時ライオンさんとあった言うとったけど・・・そん時のライオンってケロちゃんやったんやな?」 「そうやそうや、あん時はわいの真の姿ライオンや偽っとったからな〜」 な・・・なんかイキナリ亜子ちゃんとケロちゃん仲良くおしゃべりしちゃってるけど、関西弁同士だから何か通じるものがあるからかな? 「まあそんな話はともかく今はまき絵さんをどう致しますか・・・ですわ」 「そうやったな〜、ウチからしてみればまき絵の暴走より桜ちゃんの魔法の事の方が大変やあ思うけど、どうせ後から記憶消されるんやったらそない魔法の事考えても意味ないし、今はどうやってまき絵の暴走を止めるか・・・やな〜」 「ううう・・・亜子ちゃんごめんなさい、まき絵ちゃん暴走させたのも私だしせっかく秘密話したけど亜子ちゃんの記憶も消さなくちゃいけないいし・・・」 「いや・・・良いんやって桜ちゃん、まき絵の暴走もまき絵が勝手に勘違いしての暴走やし、桜ちゃんの秘密にしても典型的な脇役のウチにはこんなとんでもな秘密ちょっと重たいわ」 ううう・・・でも本当にごめんなさい亜子ちゃん、なんか今日は30万円のこと(←まだ気にしてる)があったりまき絵ちゃんの事があったり本当に散々な日だよ〜。 「それでまき絵ちゃんの暴走を止めることだけど、今のまき絵ちゃんは何を話したとしても聞いてはくれない、その事をふまえた上で何かまき絵ちゃんの暴走を止めるような策はないかな?」 「ないかな〜っと言われても・・・言葉じゃなくて別なものでまきちゃんの暴走を止める・・・そんなの思いつかないんじゃない?」 「そうやな〜ここはまき絵の気が済むまでミラーの相手させとったらどないや?」 明日菜さんとケロちゃんはすでにあきらめムードになっている。 「ですがまき絵さんの落ち込んでいる理由の子供っぽい性格、その理由がわかってさえいれば皆さんで話し合えさえすれば何か解決の糸口がつかめるかも知れませんわ」 「うん、そうだね知世ちゃん! 明日菜さんもケロちゃんも頑張って話し合おうよね」 「そうね、一人で考えるより皆で相談した方が良いし・・・」 「まっ、しゃあないな」 一人ので考えるより相談した方が良い、さすが知世ちゃん、だれちゃった明日菜さんとケロちゃんをこの一言で復活させちゃうなんてすごいね。 「・・・で皆で相談してみたんだけど、本当にこんな作戦で良いの?」 「まあ下手な鉄砲数うちゃ当たるや・・・そろそろまき絵も出てくる頃やし桜下手打つんやないで」 「さっき喋ったのケロちゃんやから、読者の皆ちゃんとウチとケロちゃん区別できてるかな?」 「・・・皆まき絵ちゃんお風呂から上がったよ!」 「では作戦指導前の準備をしますのでネギ先生・桜ちゃん・亜子さんお願いしますわ」 私達は皆で相談した結果いくつか出た案を全て講じる事になった。 ―――でもその前に知世ちゃんが言うにはネギ君とまき絵ちゃんが一緒にお風呂に入った事実は、まき絵ちゃんが勘違いしたままだと後々問題になると言う事なので、作戦の前準備として魔法がバレないようにミラーさんのネタバラシと言う事になった。 「まき絵ちゃんどうだったお風呂?」 「うん、楽しかったよ・・・ネギ君とお風呂って・・・ネギ君が二人居る!」 私は明日菜さん達が作戦第一の準備をしている間の布石としてネギ君・亜子ちゃんと共にまき絵ちゃん・ネギ君になってるミラーさんの前に立ちはだかった。 当然二人のネギ君が居るわけだから驚愕するまき絵ちゃん、すると私達は魔法をバラさないネタバラシへと移った。 「ど・・・どうなってるの桜ちゃん?」 「これはね、ミラーさん」 「はい桜さん・・・」 私がミラーさんに話しかけるとミラーさんはカードの姿へと変わる。 「これは超さんが発明した一回きりしか使えない偽者君var1.0なんだって」 私は不思議がるまき絵ちゃんの目の前でカードに戻ったミラーさんを拾い説明するんだけど、なんだか知世ちゃんの考えたこの説明・・・今更だけどまき絵ちゃんちゃんと信じてくれるのかな? 「え・・・じゃあ皆して私を騙してたの〜!」 「だってまき絵こうせんとネギ先生と一緒にお風呂入るまで引き下がらんかったやろ!」 「そうだけど〜ぷ〜・・・」 ほぇっ・・・信じちゃってるよ、さすが知世ちゃんの作戦。 まき絵ちゃん知世ちゃんが言っていた通りの反応してる。これなら作戦の方もいけるかも知れない・・・ 「まあまあそう膨れんとまき絵、大人になりたいんやろ、だったら良い案あるからこっちへき」 「え・・・なになに大人になれるの?」 亜子ちゃんはまき絵ちゃんの背中を押して木乃香さんや明日菜さんが待つ場所へとグイグイ歩いていく。 「まきちゃん、大人になりたかったらやっぱり化粧・・・化粧で美しくなって大人になりましょ」 「そうやでまきちゃん、化粧をすれば美しく大人になれんで〜」 「化粧!?・・・やるやる〜」 やっぱりノリノリだねまき絵ちゃん、第一の作戦はまき絵ちゃんに化粧をすると言う明日菜さんが考えた作戦だけど・・・ 「ほらほら、動かないのまきちゃん」 「あれ〜明日菜ちょっとこれ塗りすぎやないん?」 ・・・なんか間違ってるような気がするね。 「じゃじゃ〜んどうや、明日菜とウチで化粧をしたできは!?」 「これでまきちゃんも大人よ、間違いなし!」 「間違いなしって・・・明日菜さん・・・」 化粧をし終えた後のまき絵ちゃんの顔、明日菜さんや木乃香さんはガッツポーズ取ってるけどこれ・・・ 「明日菜さん木乃香さん・・・それ・・・・」 「あれっ?・・・なにか間違ってた?」 間違ってるも何も明日菜さん・・・・ 「鈴木●子になってるよ・・・」 「お顔まっ白ですわね、ほほほ・・・」 「あかん・・・明日菜に任せたのがあかんかったわ・・・」 まき絵ちゃんの顔は白粉を分厚く塗り固められ真っ白で美しくなるどころか逆に怖い顔になってる。 「次の作戦・・・行く亜子ちゃん?」 「そうやな、化粧なんて中学生には早すぎたわ」 「次はウチの考えた作戦・・・占いや」 「木乃香占いで大人になれるの?」 「そうや〜占いは万能何や、今からウチがする占いは生年月日を聞けばどんな悩みも万々歳や〜」 次の作戦は木乃香さんの占い、女の子は占いを信じている人が多いから木乃香さんの占いでまき絵ちゃんにラッキーアイテムやこうすれば大人になれるかを占ってみようと言うこと。 そうすればまき絵ちゃんもその占いを信じておとなしくなると言う算段なんだけど・・・ 「さて先ずは練習に桜ちゃん、そういやウチ等桜ちゃんの生年月日知らんかったな」 「え・・・えっと、1986年4月1日ですけど・・・」 注)これはCCさくら本編な●よし連載開始時より勝手に計算してみた数字である。 「・・・・え?」 ほぇ・・・なんか私変な事言っちゃったかな? 「え〜・・・っともう一回聞いてええかな桜ちゃん?」 「1986年4月1日です」 「そうだったんですか桜さん!?」 「ちょっと桜ちゃん、それじゃあ桜ちゃん知世ちゃん二人共私達より年上じゃない!」 え・・・年上ってどういう事、私明日菜さん達より年下なんですけど・・・? 「桜ちゃん、間違えてるよ私達と同学年だったら1988年生まれじゃないと」 え・・・1988年?・・・どういう事なの? 私は知世ちゃんや明日菜さん亜子ちゃんの顔をちらちらと見る。 (桜ちゃん私達の居た世界、友枝町が1999年、この麻帆良学園がある世界が2003年ですから私達の生年月日は一年誤魔化していると考えましても明日菜さん達の生年月日に合わせると1988年又は1989年生まれでなければならないんですわ) (え・・・そうなの?) ほぇ〜今まで気づかなかったけどこの世界って私達のいた世界から考えると4年後だったんだ、知世ちゃんもひそひそとその説明をネギ君や明日菜さんと亜子ちゃんにしているけど二人ともなにか呆れた顔になってるよ。 「あ〜吃驚した、一瞬桜ちゃんが17歳かと思ったわ・・・」 「も〜桜ちゃんも馬鹿なんだから〜」 「あはははは・・・」 何とかまき絵ちゃんも私の計算違いと言うことで落ち着いていてくれてるけど、次から気を付けないと。 木乃香さんもその事情を聞くと、木乃香さんは私の占いを1988年にしようか1986年にしようか悩んでしまっている。 (う〜ん、桜ちゃん1986年生まれやったんやな〜。でも1988年生まれにせなまきちゃんが見とる前やから不自然やし、でも占い師のプライドとして桜ちゃんは1986年生まれとして占いたいし・・・ぶつぶつぶつ・・・) 「あれっ・・・木乃香何悩んでんの?」 「あの、木乃香さん私良いですからまき絵ちゃんの占いを・・・」 (うう〜ん、やっぱ1986・・・いや1988・・・ぶつぶつぶつ・・・) 「あらあら、木乃香さん悩んでしまわれましたね・・・」 「木乃香さ〜ん」 「この作戦もダメね・・・」 木乃香さんが悩んでしまいこの作戦も実行にいたらないままダメになってしまった。 その後も私の考えた作戦とか試してみたんだけどまったくの効果を示さないまき絵ちゃん、気がつけば時間は日付を越えていて、私はいつのまにか明日菜さん達の部屋で寝入ってしまっていた。 うん・・・あれ・・・ここは友枝町・・・? 私の目の前に広がるのは私の生まれ育った良く知る町、友枝町。 私の家・・・ 私の夢の中の友枝町、その大まかな部分がどんどん拡大されていき最後には私の家へとピントが収まっていった。 家の中にはお父さん・・・兄ちゃん・・・私・・・それと・・・エヴァちゃん? 夢に移るのは私とお父さんの姿とお兄ちゃんの姿、そして顔まではっきりとは見えないまでもエヴァちゃんらしき人物が台所に移っていた。 でも・・・どうしてエヴァちゃんが私の家にいるの・・・・? 友枝町と麻帆良学園、それは別々の違う世界に存在するもの・・・でも私の夢には私の家にいるぼんやりしていてあまり見えないけどエヴァちゃん・・・としか言えない女の子が移っていた。 ど・・・どうして・・・エヴァちゃんが・・・? ―――ガタッ!・・・ほぇ? その瞬間私の夢は途切れ私の重いはずのまぶたは軽々と持ちあがってしまう。 「あれ・・・木乃香さん・・・」 起きてしまった私は周りをキョロキョロ見渡すと二段ベットの下で私と一緒に眠っていた木乃香さん、思い出してみれば私は昨日この木乃香さん達部屋に居たまま眠ってしまっていたのを思い出した。 「亜子ちゃんもこの部屋に泊まったんだ・・・」 二段ベットを降りた所には布団を掛けられて眠っている亜子ちゃんの姿、周りはまだ薄暗く夜明け前だった。 「あ・・・桜ちゃんおはようございますですわ」 「知世ちゃんももう起きてたんだ・・・」 「はい・・・」 木乃香さん達も眠っているので少し小声で会話する私達、すると部屋の中には2人ほどいるはずの人がいないのに私はすぐに気づいた。 「あれ・・・そう言えばまき絵ちゃんとネギ君は?」 「ネギ先生は中国拳法の型の早朝練習、まき絵さんは新体操の自主トレーニングに出かけましたわ」 「そうなんだ・・・あれ、でも今のまき絵ちゃん暴走気味だし二人で出かけたんなら見に行った方が良いんじゃないかな?」 「そうですわね」 昨日のまき絵ちゃんの暴走を考えると心配になり、私と知世ちゃんはすぐに、二人でネギ君達の様子を見に行った。 「あ・・・まき絵ちゃんだ・・・まき絵ちゃ〜ん!」 「桜ちゃん・それに知世ちゃん」 私達は一人で走っているまき絵ちゃんを見つけ声を掛ける。 するとまき絵ちゃんは立ち止まって私と知世ちゃんは走ってまき絵ちゃんに近づいた。 「まき絵ちゃん偉いね、早朝練習なんて」 「え・・・そうかな、えへへ〜」 まき絵ちゃんは手を頭の後ろにやってテレて笑っている。 「まき絵ちゃんっていつもこんな早朝練習とかしてるの?」 「え・・・いやいつもはしないんだけどね、選抜テストが近いから・・・」 「あ・・・そう言えばそう―――パシンパシーン!・・ほえ?」 まき絵ちゃんと話をしながら歩き始めた私達の耳に聞こえた地を力強く蹴る効果音、私達がその効果音が聞こえた場所へと行ってみるとそこには手すりの上で中国拳法の型の練習をしているネギ君の姿があった。 「お・・・」 「ネギ君危なくないかな手すりの上なんかで・・・」 ネギ君危なくないのかな手すりの上なんかで型の練習・・・ そんな事を私が考えている間にまき絵ちゃんがネギ君に近づいて背中を叩いている・・・それよけいに危ないよまき絵ちゃん。 「桜ちゃん・・・突然ですが、私今回の事の解決の糸口が見えてきましたわ」 「ほぇ・・・なに知世ちゃん?」 「まき絵さんのお話ですわ、これはこのままにしておいても解決するかも知れませんわ」 「それ・・・どういう事知世ちゃん?」 「ほほほ・・・それは解決してからお話しますわ♪」 「ほぇ・・・?」 なに考えているのか分からないけど知世ちゃんが言うにはそうなのかな? そして私はネギ君とお話しているまき絵ちゃんを見ながら知世ちゃんが放った言葉の意味を考えていた。 ちなみに学園長と知世の電話内容はと言うと――― 「あ・・・学園長さんですか、大道寺知世です」 「お・・・知世ちゃんかの、こんな夜に何のようなんじゃ?」 知世が掛けた先のあいては学園長、ちなみに桜は知世が誰と話しているのかどんな内容の話をしているのかこそこそ電話しているのでさっぱり聞こえていない。 「一つお願いがありまして・・・」 「お願いじゃと?・・・」 「実は諸事情から一人3−Aのクラスの方の前で桜ちゃんの魔法を披露しようと思いますの」 「何じゃと・・・じゃが・・・「その点は問題ありませんわ、事と次第が終わりしだい記憶は桜ちゃんが消去いたしますし・・・」・・・ふむ・・・」 「じゃがの〜そう言われても魔法使いは一般人にその存在を知られるわけにはいかんしの〜」 「・・・・・桜ちゃんの報酬の着服・・・それを黙っていると言う事でここは一つ良いでしょうか?」 「む・・・知世ちゃん・・・気づいておったか・・・?」 「はい、桜ちゃんは騙す事ができてもこの私は騙せませんわ」 「知世ちゃんには勝てんのう・・・記憶は必ず消去するのじゃぞ」 「はい・・・」 ―――とこのように着服を事もあろうに知世にバレていた学園長、桜を欺くのは簡単だったようだが知世を欺くのはたやすい事ではまったくなかった。 <第四十一話終> 『亜子&まき絵による次回予告コーナー』 「こんにちは〜前回から引き続き今回の次回予告コーナーの司会和泉亜子です」 「こんにちは〜今回次回予告コーナーの初登場佐々木まき絵〜です〜(●実風に)」 「あれっ?・・・まき絵なんなん「です〜」って?」 「いや〜この前ちょっと古めの雑誌についていたドラマCD聞いてたら私の声に似た女の子が・・・です〜って言ってたからその真似をしてみたんだ〜」 「ってまき絵それま●らば金やないか、そんなネタ持ち出したらあかんて」 「じゃあおはよっす(こ●り風に)は?」 「もっとあかんて、この小説にも登場しとるキャラやねんから真似したらあかんて」 「ええ〜ケチ〜じゃあ最終奥義!・・・僕・・・男の子なのに・・・orz(瑞●風に) 「だああ〜〜〜まき絵それもあかんって、性別も違うしまき絵は女やろ!・・・それ以前にあいさつやないやん!」 「えへへ〜やっぱダメだった?」 「わかっとるんやったらするなや、まあそんな事よりもそろそろ次回予告いくでまき絵〜」 「うん、それじゃあ次回予告は〜」 「【さくらとまき絵と弟子入りテスト前のネギ〜風林●山編〜】や」 「ってウチにもまき絵のがのりうつってもたやないか〜風林●山編〜ってなんや〜風林●山編〜って〜!」 「あはは〜それはあのCDを聞いてる人にしかわからないよ〜」 「ってやっぱあれなんや・・・まあ〜風林●山編〜は次回のタイトルには付かへんから〜」 「あとあと、私こう言う人の真似も出来るよ〜まったく、あのヒゲは・・・(愛●風に)」 「だからそれはあかんてまき絵!」 「他にはロ●くんおおっはよ〜(繭●風に)」 「だからまき絵・・・」 「この〜エロガッパー(な●風に)」 「私の話を・・・」 「ま●やんなにしとんのや〜(シル●ィア風に)」 「聞・・・」 「はう〜弟さんの手料理は絶品だよ〜(理●風に)」 「聞かんか〜!」 「わ〜亜子が怒った〜!!!」 「一体何人もモノマネしよんねんまったくまき絵は〜痛いでこのネタは〜」 「あはは〜あっこうしている間に次回予告コーナー終わっちゃう」 「それじゃあ次回予告する人の紹介やな」 「次回の司会者はえっとザジさんとユエさん・・・ってこれ・・・」 「無口同士かい、こんなんコーナーになるんかな?」 「・・・・・まあ大丈夫じゃない?(たぶん)」 「・・・まあそうやな、どうにかなるんやないか?」 「・・・とそろそろ、このコーナーの終わりの時間や」 「そうだね、この四十一話書き終わった後作者さん他の小説書くって言ってるしそろそろ終わらなきゃね♪」 「それじゃあ最後の挨拶いくでまき絵〜」 「ほなな〜」「さよ〜なら〜」 <終> |