第36話
「「「「「麻帆良学園都市独立特務防衛警備捜査部隊?」」」」」 「何ですか、それ?」 機龍に尋ねるネギ。 「まあ、立ち話も何だ、座ってくれ」 そう促がされ、思い思いの席に座るネギ達。 「リーダー、自分は広域指導員の集まりがあるのでこれで」 「ああ、ご苦労様」 ジンは作戦室を後にした。 「さて、麻帆良学園都市独立特務防衛警備捜査部隊とは、名目上は麻帆良学園都市警備部に属するが、基本的には独立して行動できる特殊部隊だ」 それを確認すると説明を始める機龍。 「度重なるヴァリム軍の襲撃、最近の都市内の特殊状況事件、妖怪や魑魅魍魎の異常発生などを受け、東西の協会のバックアップによって設立された」 「すごいですね………」 「東西の協会がバックっスか………」 規模の大きさに唖然とするネギとカモ。 「その活動内容は、麻帆良学園都市に仇なす敵対組織からの防衛、同都市内における超常現象・怪事件の調査および捜査などだ。その活動権限は警察、自衛隊を上回る」 「あの………それと私達が呼ばれたのとどういう関係があるんですか?」 ここでアスナが疑問を尋ねた。 「うむ………単刀直入に言おう。君達に麻帆良学園都市独立特務防衛警備捜査部隊の隊員として働いて欲しい」 「「「「「ええ〜〜〜〜〜〜〜!!」」」」」 驚きの声を上げる一同。 「施設や設備は揃ったのだが、人員が不足していてな………特に戦闘要員となると高い技量が要求される………そういった人材は少ない………それにこの部隊の存在は一般人には伏せられている」 「なるほど、それで機龍先生達の正体を知っていて尚且つ、高い技量を持つ我々を構成員に迎えたいと………」 機龍の意図を理解する真名。 「本来ならば君達のような民間人の力を借りねばならないというのは恥ずべきことだ………しかし、我々には君達以外に頼れる者がいない………無論、危険手当や給料などは保証する………お願いだ、力を貸して欲しい………」 そう言って、深々と頭を下げる機龍。 「何を言ってるんですか、機龍さん」 ネギが最初に返事を返す。 「そうだ、私達は仲間だって言ったろ」 真名が続いて言う。 内心で、ここで働けば超包子であんな格好をしないで済むという思惑もあった。 「ダンナのためだ。一肌脱ぐぜ!」 「力を貸すでござるよ」 「面白そうアルね!」 「ご協力いたします」 「ま、乗りかかった舟ってやつね」 「せっちゃんが手伝うなら、ウチも手伝うで〜」 「わ、私も………ネギ先生がお手伝いするんでしたら………(赤面)」 「強大な悪に立ち向かうため、団結して戦う少年、少女達………く〜〜、燃えるね!」 「お友達のためなら、私も協力します!」 「私もです」 「ふん、まあ、貴様には借りがあるからな………協力してやらんこともない」 [私はマスターがお手伝いなさるのでしたら………] それぞれの思惑を胸に答えるカモ、楓、クー、刹那、アスナ、このか、のどか、和美、さよ、夕映、エヴァ、茶々丸。(返答順) 「ありがとう………皆」 それを聞いて嬉しく思う機龍。 「では、最初に配置決めを行いたいと思う。まずは………」 その後、話し合いにより……… ネギ(+カモ)、アスナ、このか、武闘四天王、エヴァ、茶々丸が戦闘班。 のどか、夕映、和美、さよがオペレーターに就くことになった。 「まあ、これが妥当な人選かな………」 配置表を見ながら呟く機龍。 そして、通信機に近寄りスイッチを入れる。 「こちら作戦室。格納庫、応答せよ」 「はい、こちら格納庫です」 通信機からハカセの声が返ってくる。 「暫定の配置表ができたのでそちらに送る。戦闘班のPFを用意してくれ」 「了解しました!」 そう言って通信を切るハカセ。 機龍はスキャナのような機械に配置表をセットすると何やら操作をした後、再びネギ達の方へ向き直る。 「ハカセさんも協力者なんですか?」 「ええ、彼女と超にはこの星に着てから色々とバックアップをしてもらいましたからね」 「へ〜〜」 「それより、今、PFって言いませんでした?」 アスナが疑問を口にする。 「ああ、スマン、言い忘れていた。戦闘班の人員には全員にPFが支給されることになっている」 「「「「ええ〜〜〜〜!!」」」」 驚くネギ達。 「じ、じゃあ、私達もパイロットに!?」 「そういうことになるな」 「アイヤー、私、ロボットの操縦なんてできるアルかな〜?」 「拙者もちょっと現代兵器は………」 尻込みするクーと楓。 「心配いらない、PFの操縦は初心者や女性の操縦でも高い戦力を発揮できるというコンセプトの元に開発されている。2、3週間も訓練すればまともに動かせるようになる」 「万能ですね………」 「ヴァリムに掌握され、国を追われてアルサレアに逃げ込んできて、アルサレアを守るためや故郷を取り返すために兵に志願する女・子供が多かったからな………皮肉なものだ」 (そう言えば………いつか任務を共にしたロイナーデ小隊にも、そんな子がいたっけな………) 場の空気が重くなる。 「おっと、すまないな。君達にする話じゃなかったな………」 話題を切り替える。 「ともかく、ここにあるPFは超とハカセがさらに改良を加えた物だから操縦も従来のものより簡単だ」 「そ、そうですか。じゃあ、安心ですね! 皆さん」 「「「「あ、ああ!!」」」」 重い空気を変えようと声を揃えて返事をしてしまう一同。 「では、我々、麻帆良学園都市独立特務防衛警備捜査部隊は………」 「あの………機龍さん」 「ん? 何だ?」 「その部隊名、長くてややっこしくないですか?」 「確かに………」 「長いな………」 同意見の一同。 「うむ………では、皆で新しい部隊名を決めるか」 「「「「「賛成!!」」」」」 こうして、部隊名を巡って様々な意見が飛び交う。 「最強の魔法使いダーク・エヴァンジェリンとその下僕達に決まりだろ」 「「「「………………」」」」 冷ややかな目でエヴァを見る一同。 [マスター………それは流石に………] 「………フン!!」 不満そうに顔を背けるエヴァ。 「ネギの兄貴と愉快な仲間達は?」 「カモ君、エヴァンジェリンさんと大差ないよ………それに僕だって、そんなのやだよ」 「いや、だってよ………」 「アホ言ってんじゃないの、エロガモ」 「ぐおぉ〜〜〜〜!!」 そう言いながらカモを捻るアスナ。 「あの………帝国華撃団はどうですか?」 「さよちゃん………いくら大正に生きてたからって………(汗)」 ちょうどその時代に生きていたさよにツッコむ和美。 その後も様々な意見が飛び交う。 ウルトラ警備隊。 αナンバース。 5121小隊。 コズモレンジャーJ9。 神羅カンパニー。 MARZ。 ミスリル。 レイヴン。 特車2課。 シャッフル同盟。 デビルメイクライ。 色々と出てくる部隊名候補。 「う〜〜ん、どれも捨て難いな………龍宮くんは何か意見はあるか?」 今まで黙って事を見聞きしていた真名に聞く機龍。 「そうだな………機甲兵団ガイアセイバーズっていうのはどうだ?」 「機甲兵団………」 「ガイアセイバーズ………」 呟くように言う一同。 「いいですね、それ!!」 「うん! 何かヒーローみたいね!!」 「まあ、悪くはないな………」 「カッコイイでござるな」 「イカスアルよ!」 どうやら、皆、気に入ったようだ。 「よし、では! 只今から、我々は麻帆良学園都市独立特務防衛警備捜査部隊改め、機甲兵団ガイアセイバーズと名乗ることにする!!」 パチッパチッと拍手が鳴り響く。 と、ここで通信機が鳴った。 機龍が受信のスイッチを入れ応える。 「こちら、作戦室」 「あ、機龍さん! 皆さんのPFのカスタムが完了しました。格納庫に来てください」 「了解した、すぐに行く」 そう言って通信を切る。 「では、君達の分身となる機体達を紹介しよう。オペレーター組は………」 「すみませ〜〜〜ん!! 遅れました〜〜〜!!」 慌しくサクラが作戦室に入ってきた。 「ああ、サクラくん。ちょうど良いタイミングだよ。これが配置表だ」 機龍から渡された配置表に目を通すサクラ。 と、ある名前で目が留まった。 「えっ!? さよちゃんもオペレーターなんですか?」 「幽霊じゃPFの操縦なんてできないからな」 「はうぅ〜〜、でも………」 「あの………私がどうかしましたか?」 いつの間にか2人の横に浮かんでいるさよ。 「ほえ〜〜〜〜〜!!」 慌てて壁まで飛び退くサクラ。 どうやら、まださよが幽霊だということに慣れていないようだ。 「サクラくん、失礼だぞ」 「はうぅ〜〜〜、スミマセン〜〜〜」 「じゃあ、オペレートの基本を教えておいてくれ。私は戦闘班とPFのチェックに行ってくる。戦闘班の者は着いて来てくれ」 戦闘班一同を引き連れて作戦室を後にする機龍。 「あの………サクラさん。サクラさんがオペレーターのことを教えてくれるんですか?」 「うん………一応、資格を持ってたから………」 「よろしくお願いします! サクラさん!!」 「ほえ〜〜〜〜〜〜!!」 さよにビクビクしながらもサクラはオペレーターの概要を説明するのであった。 NEXT |